KOEI乳酸菌

安全性は栄養生理学的に評価 有効性も創薬レベルで検証

乳酸菌生産物質が選ばれる「理由」2

腸内フローラを改善させるだけでなく、腸管免疫や生理活性作用を介しても疾病に直接働きかけるのが乳酸菌生産物質です。その有効性と安全性に関する研究が国内で加速しています。


田辺製薬グループの㈱田辺R&Dサービスにおける研究においては、通常の安全性試験と視点を異にする栄養生理学的評価試験において安全性を確認しているだけでなく、有効性に関しても、抗腫瘍効果を中心に研究が進められています。

栄養生理学的評価は食品機能を評価する最適な方法

牛海綿状脳症(BSE)や中国産野菜の残留農薬など、昨今、何かとクローズアップされているのが、食に関する安全性の問題です。また、たとえ健康食品といえども、まずは安全性を確保することが第一に求められています。


乳酸菌生産物質の安全性については、国際的な安全性基準であるGLP適合施設において長期安全性試験を実施しています。トクホに準じた試験デザインによって安全性を確認しているだけでなく、城西国際大学薬学部・臨床栄養学講座の太田篤胤教授によって、通常の安全性試験に比べて微妙な影響を検出することができる栄養生理学的な評価試験も実施されているので、乳酸菌生産物質は極めて安全であることが確認されています。


また、栄養生理学的な試験による安全性評価とは、栄養成分の組成が全て明確な精製飼料を健常ラットに摂取させることで、栄養学的な視点から安全性を評価していく方法をさします。飼料に含まれる栄養成分に関しても、試験デザインに影響するものを予め把握するなど、至ってシビアな評価方法となっています。


通常の安全性試験の場合、栄養成分の組成が不明確な飼料を健常ラットに与えることで安全性の評価を行いますが、飼料に含まれている微量の栄養成分が評価に直接影響を及ぼしてしまう危険性も否定できません。従って、飼料自体の栄養成分の組成を把握したうえで安全性を評価する栄養生理学的試験が、食品機能を評価するうえでは最適な方法と言えます。


そこで、太田教授は、乳酸菌生産物質に含まれるビタミン・ミネラルとイソフラボン類が試験デザインに与える影響を予め把握したうえで、成長期の正常雄ラット(雄Wistarラット)28匹を、対照群と3群の乳酸菌生産物質投与群に分類しました。栄養成分の取成が明確なAIN-93G精製飼料で28日間飼育させた後、ラットの体重や飼料の摂取量、糞量、臓器重量などを測定し、血糖値や各種の血液生化学検査もあわせて実施したところ、乳酸菌生産物質に関する影響は全ての項目で認められませんでした。


機能性と安全性とは表裏一体と太田教授と話します。「そのためにも、急性毒性試験や亜急性毒性、反復投与毒性試験などで安全性を確認することは、健康食品の安全性を確認するうえでの最低限度のマナーなのではないでしょうか」として、安全性評価はより重要視されるべきだと強調します。

NCIの判定基準を上回る延命効果が

一方、乳酸菌生産物男の有効性については、学術的にも臨床的にも数多くのデータが報告されています。なかでも、近年盛んに研究されているのが抗腫瘍効果に関する研究です。田辺製薬グループの㈱田辺R&Dサービスにおいて創薬レベルでの研究が実施されています。研究に携わるのは、飼育管理部薬理グループの獣医師・小田晃司氏。田辺製薬㈱で20年以上にわたって抗がん剤の薬理活性を研究してきたスペシャリストです。


「これまでの抗がん剤は、薬効に対して毒性があまりにも強すぎるといった問題点を抱えていました。そのような時に評価依頼を受けたのが、乳酸菌生産物質でした。聞いてみますと、豆乳を培地にして複数の乳酸菌を発酵させ、そこから産生する物質であるとのことでして、何らかの天然由来の抗がん活性が見つけられるかもしれないとの期待から、がんに対する薬理活性を調べてみることにしました」


早速、小田氏は固形がん細胞Meth-A sarcomaをマウスに移植、in vivo試験で乳酸菌生産物質の抗腫瘍効果を調べたところ、乳酸菌生産物質投与群で腫瘍細胞の増殖率を47.5%にまで抑制することを確認。さらに、米国国立癌研究所(NCI)で抗がん期のin vivoスクリーニングの第1次選別として使用されるヒト白血病P388細胞の培養系をマウスに移植、in vivo試験でマウスの延命効果を検討したところ、最大25%というNCIの判定基準を上回る延命率が示されたのです。


「私たちは、あくまでも医薬品としてのフィールドで抗腫瘍試験を行っていますが、健康食品でNCIの判定基準を上回る延命効果が示されたことは正直驚いています。その後、NCIや(財)癌研究会のin vitroスクリーニングで用いる13種類のがん細胞に対して行ったin vitro増殖抑制試験でも、対照薬5Fuとは異なる増殖抑制作用を発揮している可能性が推測されましたから、その作用機序の解明は非常に興味深いところです」


この試験結果からは、乳酸菌生産物質の薬理作用が免疫系を介していることは確証できましたが、がん細胞の中には乳酸菌生産物質を投与することで細胞死を起こしたものも存在したといいます。小田氏によれば、一般に抗がん剤の多くは増殖速度の速い細胞ほど抗腫瘍効果を示すため、セルサイクルのどのphaseに作用しているかといったことまで掘り下げていくことも今後は重要なのではないかと話しています。


「現在、これまでin vivo試験で行ってきたことが、果たしてヒトにも実際に効果があるのかといった検証の最終段階に入っており、ヒト正常細胞に対する増殖抑制効果をin vitro試験で検証しているところです」-いずれは、これらの乳酸菌生産物質に関する研究を論文としても投稿したいと話す小田氏。『身体にやさしい抗がん成分』の研究は佳境を迎えようとしています。

乳酸菌の新しいステージ

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