善玉菌が喜ぶ健康食としての和食

世界が注目する「和食」は健康長寿の秘訣だった!

みなさんは、和食が、栄養のバランスをとりやすい食事だということを聞いたことありますか?ご存知の方も多いと思いますが、平成25年に和食が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されました。そう!実は、和食はいま「ヘルシーフード」として世界中から注目されています。
日本では昔から『一汁一菜』『一汁三菜』『主食・主菜・副菜・汁物』が伝統となっています。和食は、野菜が豊富・油分が少ない・肉よりも魚が多く使われている、豆製品が多く使われる、漬物などの発酵食品が多彩に摂り入れられている、などなど、体にとても優しい要素がたくさんあります。ふだん当たり前に食べている和食が、実は「腸内フローラ」にもよい、つまり善玉菌が喜ぶ健康食だということを少しお話したいと思います。


栄養と機能性からみた和食
いま、ごはんを中心とした「一汁三葉」の和食のスタイルが、健康長寿の献立モデルとして理想とされています。和食の献立は、3大栄養素であるタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の摂取カロリーの比率(PFCバランス)が、理想形に近いといわれることがその理由です。




和食のPFCバランスの理想形と変化
和食のPFCバランスの変化
ちなみに、その適正比率は、タンパク質13%、脂質27%、炭水化物60%とされ、いまから35年程前の1980年ころが最も理想的と言われます。


和食は多彩な調理法
季節の野菜を主体に多彩な食材を多様な方法で調理する和食は、体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維、また近年話題の抗酸化作用をもつポリフェノール類などもしっかりと摂取できると言われます。昨今は野菜と言えば手軽なサラダが主体ですが、多くの和食料理では煮物や和えものなどが中心で、野菜を加熱調理します。そのため和食の方が生よりも柔らかく、量も減って、たくさん食べられるという利点があります。


疫学的にも和食はよい
多くの野菜を摂取すると、がんや虚血性疾患、糖尿病、高血圧など生活習慣病の発病を抑えられるとされます。さらに日常的にさまざまな形で和食に登場する大豆も、乳がんや前立腺がん、骨粗しょう症の予防に効果があると期待されています。

(文とイメージ「奥村彪生監修『和食のすべてがわかる本』(日本実務能力検定協会発行、農文協発売)より抜粋、編集 )




和食の基本がわかる本


和食にみる「五味・五色」の伝統と知恵

四季の恵みに寄り添いながら営まれてきた伝統的な日本の食生活には、薬膳でいう「五味・五色」の考え方にも通じる伝統が息づいています。


春から初夏にかけては、酸味や苦味がある柑橘類や山菜、野草が体を目覚めさせ、冬に不足していたビタミン類を補給してくれます。

盛夏はウリや茄子など水分の多い果菜類をたくさん摂って体を冷やします。

秋は夏に消耗した体力を補うでんぷん質(糖質)の多い穀物やいも類、それに辛みのある根しょうがや大根おろしで食欲を増してエネルギーを蓄えます。

冬になると、土の中でエネルギーを蓄えた根菜類で体を温め、脂がのった魚を食べてエネルギーをため込むことで冬を乗り切るのです。塩からい漬物や味噌汁も、寒さの厳しい地域では体を温めてくれる重要な役割を果たしてきました。


季節の食材を積極的に摂り入れようとは昔から言われますが、季節に照らし合わせて、ひとつひとつを取り上げてみると、なるほど、身体がその季節に応じて欲する栄養なのだということがよくわかりますね。


一方で、日本人は、昔から養生のために「五色」の食材を組み合わせて食べるようにもいわました。

「白」はエネルギー源になる米や麦類、雑穀類、いも類など。
「赤」は思考や感情、体の動きを促すタンパク源の大豆とその製品、魚介類や卵、肉類など。
「黄」はミネラルや繊維質の多い土の中の野菜。
「緑」はビタミン類やミネラル、繊維質の多い土から上の野菜。
「黒」はミネラルや繊維質の多い海藻やきのこなど。
五色の食材・・・昔から私達の身近にあるなじみの食材ばかりです。今一度この「五色」に目を向けて毎日の献立に活用してみませんか。
(文とイメージ:「奥村彪生監修『和食のすべてがわかる本』(日本実務能力検定協会発行、農文協発売)より抜粋、編集 )



和食に欠かせない発酵食品

高温多湿でカビが発生しやすいアジアモンスーン地帯に分布する国々では、先人たちは昔からカビを上手に使って発酵食品をつくってきました。特に日本はこうじ菌(カビ、糸状菌ともいう)を使った発酵食品が多く、味噌や醤油、食酢、みりん、日本酒、焼酎、甘酒、かつお節などは、すべてこのこうじ菌を使った発酵食品です。これらの食品は単に保存性が高いだけでなく、酸味やアルコール、うま味などが醸成され、独特なおいしさが醸し出されます。




伊豆大島のくさや
(画像wikipedia)
酵母による発酵食品
酵母は植物や果物、樹液、花蜜など、あらゆるところに生息しています。食べものに含まれる糖をエサにして、それをアルコールと炭酸ガスに分解しながら、分裂、成長し、人間に有用な発酵食品をつくり出しています。先人たちはこの自然の力を利用して、古来より酒や漬物、味噌、醤油、酢、それにパンやチーズなどをつくってきました。
東京・伊豆大島の「くさや」は「しょっつる」(塩汁)に漬け込みますが、そのうま味や独特のにおいはその漬け汁に含まれる酵母などの慟きによるものです。また、果物のなかでも特にぶどうには多くの野生酵母が生息します。北東北では昔から山ぶどうの実浦摘みとって、洗わずにつぶしてかめに仕込みます。砂糖を加えずとも酵母発酵がすすみ、黒紫色が美しい山ぶどう酒ができあがります。




いろいろな種類の味噌
(画像wikipedia)
乳酸菌による発酵食品
乳酸菌を利用する食品としては、ヨーグルトやチーズなどの動物質食品が有名ですが、日本の郷土料理では味噌や醤油、日本酒、野菜や魚の漬物など、主に植物質食品が数多く伝承されています。重石をのせて素材が空気に触れるのを防ぐと、食品の質を落とす好気性のカビや雑菌の繁殖が抑えられ、嫌気性発酵を好む乳酸菌の働きが高まります。その働きにより糖から乳酸がっくり出されて漬物のおいしさが増すのです。

乳酸発酵の漬物といえば、全国各地にあるぬか漬や、長野の「すんき漬」などが有名です。高知の「碁石茶」や徳島の「阿波晩茶」は、蒸した茶葉にカビ付けし、重石をのせて桶に漬け込み、乳酸発酵させてつくる珍しいお茶で、近年の菌活ブームで静かなブームを呼んでいます。

酢酸菌による発酵食品
酢は酒が熟して酸っぱくなったもので、日本では主に米や麦を原料とする穀物酢が多く存在します。穀物酢としては長崎の「米酢」や「麦酢」、沖縄の「あまざき」などが有名です。
―方、果実を使った酢は、「木酢」といわれるゆずや夏みかん、だいだい、かぼすなどを紋った汁がそのまま用いられることが多いですが、地域によっては酢酸発酵させた「柿酢」がつくられ、佐賀では祇園坊柿をかめで仕込んだ「柿酢」がつくられ、酢味噌和えなどに使われます。

(文とイメージ:「奥村彪生監修『和食のすべてがわかる本』(日本実務能力検定協会発行、農文協発売)より抜粋、編集 )


身体に嬉しい和食を見直してみませんか

世界中の食べ物が簡単に手に入り、たいていのものは一年中食べられる便利な時代になりました。最近では、和食を食べる機会が少なくなっている方も多いかもしれません。

季節ごとに多彩な食材に恵まれている日本ですが、忙しい毎日の中で、それらの食材を摂り入れて手間ひまをかけて家族のために料理を作ることは、もはや難しくなっているかもしれません。とはいえ、少しだけ意識して食材を選んだり、漬物を食卓から欠かさないようにしたり、五色を意識して買い物してみたり・・・簡単なことから、身体に嬉しい和食を見直してみませんか。

腸内フローラは、食生活の乱れやストレス、過労などによって絶えず変動しています。腸内フローラを健やかに保つためにも、日頃の食生活の中で、乳酸菌が増えやすい腸内環境を維持することが大切です。そこで、昔ながらの和食中心の食生活を心がければ、自然と野菜や発酵食品を多く摂り入れることができます。それに加えて、乳酸菌を含むヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬けといった発酵食品を積極的に食べたり、乳酸菌の栄養となる食物繊維と呼ばれるオリゴ糖などを含んだ食品を摂れば、腸内環境において、善玉菌の代謝が促されます。ぜひ日本の伝統食品を日々の食事に取り入れて、腸内の「善玉菌」を増やすように心がけてみませんか。


善玉菌をサポートする食品いろいろ



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