2019.09.30

乳酸菌業界白書

第101回 乳酸菌信仰とは

前回の本欄で「乳酸菌信仰」という造語を使いましたが、今回は、こんな言葉を造った理由についてご説明しておきたく思います。

「信仰」と類似した言葉に「信頼」がありますが、それぞれが使われる局面はだいぶ異なります。

「信仰」が、主に宗教や思想に関して使われる言葉であり、その宗教や思想が示す考え方を絶対的なものとして受け入れることであるのに対し、「信頼」は、人物や情報について使われ、それらの正確性を信じるという意味合いながらもけして絶対的なものと考えるとは限りません。

この違いを踏まえると思い起こされるのが、瀬戸内寂聴さんの言葉にもございます「信仰を持つと"あなたまかせ"の心になります」というものです。

 

 

それでは、乳酸菌に対する一般消費者や大多数の識者の方々の考え方は、どうなのでしょう。

"あなたまかせ"になってはいないでしょうか?

摂取する食品やサプリメントの中に、乳酸菌が存在しさえすれば健康に役立つと、単純に思い込んではいないでしょうか?

 

 

消費者は、学説に触れる機会も少ないでしょうから仕方ありませんが、学識者の方々も、論文で勉強した程度の知識ですから正しく理解出来ていないのでしょう。

多くの識者の方々の頭の中で、乳酸菌が作り出した代謝物質こそが健康に作用する、という大切な理論が抜け落ちているからです。

そして困ったことに、大切な理論が抜け落ちた学説が仮説となり今では通説となって、信頼できる絶対的な情報として受け入れられてしまい、信仰と化してしまったのです。

 

 

老舗整腸剤のWeb広告でも、堂々と、腸に乳酸菌が定着し増殖すると、あたかも真実の如く謳われているのを目にいたします。

長年に渡り自分の手で乳酸菌を培養した研究者なら、ヒトの腸内の培養環境において外部から注入した乳酸菌は定着どころか発育・増殖することすら不可能であることは、火を見るよりも明らかな現象なのです。

どうして、このような信仰とも思える宣伝文句、広告表現が、まかり通るのでしょうか。

近代科学の進歩にブレーキをかけるものの正体は、「乳酸菌信仰」以外の何者でもない、ということです。

乳酸菌信仰に巻き込まれた"あなたまかせ"の消費者は、自分の身体の健康に役立つことが期待出来ない乳酸菌を飲まされ続けているのです。

悲しいことではありませんか。

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