2020.09.08

身近雑記

第116回 いつまで続く、効果のない乳酸菌ミステリー

2016年4月、私の著書『不老“腸”寿』が幻冬舎より発売されました。

当時、カナダに在住されているエッセイストの方から、カナダまで帰る飛行機の中で、大好きなミステリー風の内容をワクワクしながら読みました、とのお便りをいただきました。

「不老長寿の要として注目される腸内環境について、それを改善する効果があるものと信じられている間違いだらけの健康法の誤りを、次々に指摘し真実を解き明かしていく論法がミステリアスでした」そのお手紙にはこのように書かれていました。

 

拙著の第2章「生きた乳酸菌は効果なし」では、巷にはびこる間違いだらけの整腸法を、次のような見出しとともに掲げております。

  • ヨーグルトや乳酸菌サプリメントの誇大広告に騙されるな!
  • 「生きた菌」が腸まで届き、それからどうなる?
  • 菌の数は多ければ多いほど良い?
  • 動物性乳酸菌よりも植物性菌のほうが身体に良い?
  • トクホなら信頼できる?
  • 野菜ジュースや青汁で食物繊維が補給できる?

この章の結論として、乳酸菌だけでは腸内環境の改善は期待出来ないという真実を提言しています。

 

しかし残念なことに、真実の前には世の中の誤解が立ちはだかり、提言を行って4年を経た現在もミステリーは続いているのです。

そして巷では真実が解明されないまま、信仰化してしまってさえいます。

現在もTV・CMや新聞広告等で、有名芸能人や特定の個人の方々が、ご自分の感想としてその効果を推薦しています。

実害が見当たらないからといって、こうした宣伝方法が許されていることを、いかがなものかと思ってしまうのは私だけでしょうか。

 

乳酸菌の効果について、学識者の方々は多くの論文で勉強しておられます。

そして、講演会やご自身の論文の中で発信しておられます。

しかしながら、毎日、乳酸菌を培養して技術を身に付けてきた研究者なら、乳酸菌だけでは健康への効果を期待することが出来ない、ということも理解なさっているはずです。

実験の上で乳酸菌が健康に対して有意であるからと、多くの論文が発表されていますが、人間の生活に取り入れられることで明確な体感が得られ、長年に渡り多くの人々に認められる結果を踏まえた上の論文でないと、単なる研究報告であり世の中に貢献出来るものではないと、私は確信しています。論文を書くためだけの研究であってはなりません。

そして、いつまでも乳酸菌そのものだけに固執しているのは、科学の進歩に対してブレーキをかけていることになりかねませんし、けして人々の健康長寿の利益にはなりません。

 

思い切って、アクセルを踏んでみましょう。

ミステリーが解明され明るい未来が見えてまいります。

そんな、世の中がアッと驚くような論文の発表を待っています。

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