2015.05.18

私的腸内細菌論

第34回 腸内フローラと大腸がんについて

先日来何度か目にしたテレビ報道に、著名な俳優の方が大腸がんに侵されており既にステージ4で手術不可能な状態にあるというニュースがありました。常日頃、体には注意されていたとのことですが、お気の毒でなりません。



大腸がんの罹患率は癌の中でも高い値で、しかも肺がんとともに上昇傾向にあるようです。そこで私になりに大腸がんについて考えてみました。


タンク大腸はヒトの健康・生命を決定付ける臓器です。細菌学的に見ると、人の寿命を左右する“連続培養タンク”と言っても過言ではありません。私たちが生きていくために必要な細胞レベルの物質はここで作られています。


このタンクは常に腸内フローラのコントロールによって、善玉菌優勢の状態で作動している必要があります。連なって動いておりますので大腸は、小腸からの栄養物の残り物にて発酵を開始します。



そして、発酵の元となる善玉菌は、私たちが生まれたときから腸に常在している腸内フローラのチームです。


培養が安定するための要はこのチームの結び付きが強固かどうかに関わっており、強固なチームゆえに常に定まった発酵物が流れ、多様な役目を果たし、定まった時間に排泄されていきます。この発酵メカニズムが大変重要なのです。


そこで、最近取り沙汰されている注目の物質が、難消化デキストリンです。デキストリンの役目は、腸内細菌が分解して作ったたんぱく質をビフィズス菌のえさにすること、さらに、腸内培養物の粘度を調整して発酵が順調に進むようにすることです。このため、サプリメントなどでも便通を良くする目的に利用されています。


理想的な便の形として、一般にバナナ状の排便が最良とされていますが、実際に大腸は、小腸よりもかなり太い環状になっているため、バナナ状となると、めいっぱいの発酵物が大腸の中に存在していなければなりません。


それには物理的に繊維状のものが必要です。繊維状ならば、小さな気泡が混在してスポンジ状になることで、大腸内を容易に移動できるとともに腸内細菌の代謝液も行き渡ります。



野菜繊維質は、野菜を口で噛み砕いた大きさが最適です。決して多量の野菜が必要というわけでなく、スーパー・コンビニで手に入る1パック2~300円程度の量で充分です。


栄養学的に満足できない方は、「これ1本で1日分の野菜が摂れるジュース」等を飲みたい人は飲めば良いと思いますが、ジュースでは大腸の発酵物の物理的調整はできません。
先にバナナ状と申しましたが、太さは直径2.5~3cmは欲しいところです。そして多数の気泡のある便が望ましく、水に浮く浮かないは関係ありません。


私は排便の後は、先日・先々日食べたものを思い出すとともに、形状も必ず確認しています。特に便の太さは、発酵状況を示しますので注目しています。


近年の大腸がん増加は、食の欧米化によるものであることは間違いありませんが、そう簡単に昔の食生活に戻れるものでもありません。まず1日一度は、野菜を口で噛み砕いて飲み込むことをお勧めします。


50歳を過ぎると、腸内フローラからの発酵コントロール物質も減少してきます。それを補充する乳酸菌生産物質を飲みつつ、健康食品やサプリメントの代わりにもっと野菜を食べることに意識的になりましょう。



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