2016.04.07

私的腸内細菌論

第46回 実践、腸内フローラと便観察(その2)

今回は便の色と臭いについて、説明します。


まず、便の色から観察してみましょう。腸内フローラが善玉菌優勢の正常な稼働をしていれば、ほぼ一定した黄土色の便となります。


ただし、食べたものによっては変化することがありますので、大きな変化の場合があれば、昨日一昨日に食べたものを思い出してみてください。

便の色を観察
個人差はありますが、年齢を重ねるにつれ黄色から茶色、濃い茶色へと変化してゆく傾向にあります。この色は、腸内発酵タンクのPH(酸性レベル)により変化していきます。


毎日同じ色の便が見られるよう、食事に留意することが大切です。


そして食事の内容と便の色との相互関係が読み取れるようになりますと、毎日飲んでいる乳酸菌生産物質が腸内フローラをいかに正常にコントロールしているか、身をもってお解りいただけるようになります。



具体的な例を申し上げますと、お肉をたくさん食べると普通は濃い茶色系の便になりますが、乳酸菌生産物質を飲んでいるとふだんとは大差ない黄土色の便を見ることが出来ます。悪臭もありません。



肉類の動物性タンパク質は、高齢者には元気を保つためにある程度必要とされてはいますが、ほどほどにしませんと、小腸で吸収出来ずに余ったものが大腸に行き、悪玉菌の好むエサになってしまいます。


ところが乳酸菌生産物質には、悪玉菌の増殖を抑制するハタラキがありますので、肉を大量に食べたときの便の色を見ても、悪玉菌が働いた形跡が見当たらないという貴重な観察が出来ます。


便のにおい次に、便の臭いについての観察です。便のチェックの中で、最も重要なポイントがこの「臭い」です。


ただし、便が排泄されて便器の水たまりの中に落ちる、まさに一秒足らずの間に発散される臭いを嗅ぎ取らねばなりません。


この臭いというのは、腸内の発酵タンクで菌が発散している独自のものです。その人その人が持っている、各々の腸内フローラから出るものゆえ、同じものを食べても人によって臭いに違いがあります。


もし自分自身で、何を食べたときの臭いか判別できるようになれば、しめたものです。


私は、自分の便からの臭いで腸内フローラの調子が判別できますが、これは、永年研究に携わったおかげで、多くの菌が発する臭いを嗅ぎ分けることができるようになったのです。


それは、共棲培養によって集まった菌のチームが発する臭いを、つぶさにチェックする必要があったからなのです。


チームワークの状態がどうかは、臭いで判ります。培地(菌のエサ)によって菌の代謝産物が異なりますから、同じ菌でも臭いが異なります。


一口に臭いとは言いますが、ガスですから多くの成分を含んでおります。


乳酸菌から出るガスは、家庭用冷蔵庫の冷却エレメントを腐食させますから、試験管からガスが漏れないよう配慮が必要です。


菌から発散されるガスで、冷蔵庫が故障してしまうのです(キムチを大量に冷蔵保存している場合など、要注意です。横浜の中華街近くにはキムチ専用冷蔵庫まで売られています)。


さて、臭いには強弱もあります。


ほとんど臭いを感じない場合もあれば、強い臭いを感じるとき……、排便の際はそれぞれ体験しますが、臭いを感じ取れない場合は腸内フローラが良好にコントロールされているときです。



ただしそのときの腸内環境によっては強い臭いを感じることがありますので、食事内容、量、食べた時間、腸の調子、気候の変化等々の影響について、ご自分で分析してみることも大切です。


若いときには好きなものを好きなときに食べても構いませんが、高齢になってきますと、便を詳細に観察して食べるものと量と時間を決定する、というような食生活を励行することが、健康長寿の基本となると私は思っています。



ほとんど無臭に近くて常に安定した正常な排便は、乳酸菌生産物質が補佐した腸内フローラから得られる、ということが特に高齢の愛用者の方々からの声として伝えられ広く知られています。


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