2016.07.04
身近雑記
第49回 「不老‘腸’寿」編集後記
今回から、 「不老‘腸’寿」を上梓するに至った経緯を何回かに渡り記してまいるつもりです。
出版の動機をはじめ裏話やこぼれ話の執筆余談となりますが、私の心の奥底にある熱い想いをみなさまにご理解いただき汲み取っていただければ幸いです。


なによりも最初は、最大の動機となった事例を具体的に申し上げたいと思います。
まずは、メディアが発信する健康関連のCMにおける乳酸菌の捉え方に対する違和感からお話ししましょう。
ヨーグルトやサプリメントの広告では、生きて腸まで届いた乳酸菌の効果が当たり前のように報じられています。
中には乳酸菌が何千億個も入っているのですよ!と連呼されています。
このことがどうしても、乳酸菌の働きを以てして人の健康を守る研究を50年間以上続けてきた私の心に鋭く突き刺さるのです。
どうして間違ったことが、まかり通るのか?
どうしてこのようになってしまったのか?
このおまま放置しておいてよいのか?
メディアが伝える情報として堂々と広告されれば、多くの視聴者が真実と思い込んでしまう、何とかしなければ……微力ながらできることはないだろうか……。

そして人々はみな健康長寿を願っています。
しかし国の医療財政は破綻寸前にあります。
こんなときこそ、私の研究してきた乳酸菌に働いてもらって健康寿命を延ばすしか方法はないと思っているのですが、ことはそう簡単にはまいりません。
そこには学者から企業に至るまでの「生きた乳酸菌信仰」が、歴然と立ちはだかっているのです。
この信仰からの救済は、簡単には為し得られません。
それには、書籍を通して訴えるしかないと確信した次第です。
昨年12月、公の最高機関の要請により腸の健康に関する講演会を行った際には、同じことを約100名の聴衆の方々にも提言してまいりました。
生きた菌信仰とは何か?
どうして巷に溢れる乳酸菌の商品に効果の程が期待できないのか?
これらについては次回に詳しく説明いたします。
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