2017.03.23

身近雑記

第60回 絵に描いた餅

first day of spring本日は、春のお彼岸明けです。


昔から「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句がよく登場しますが、これからは少しずつ暖かくなり、一年中で一番良い時候となります。


さて、本欄「私考欄」も、60回の節目を迎えることができました。


やはり故事ことわざに「絵に描いた餅」というのがありますが、今回は節目の回として、昨今の乳酸菌ブームについて、このことわざに準えてみましたので、ご一読いただければ幸いです。


去る3月10日に、私の著書『不老腸寿』の出版記念セミナーを幻冬舎にて行いました。


演題を「食品メーカー向け、乳酸菌含有食品の開発動向セミナー~細胞レベルで働きかける複合乳酸菌生産物質の効能と食品への加工例~」として、食品メーカー各社21名の方々が参集されるなか、私が講演をさせていただきました。


聴講された方は、ほとんどが食品関係の大手企業の方々でした。


私は、今年になって大手企業によって発売された市場を席捲する乳酸菌コラボ食品10商品について、まず解説しました。


それらすべてに共通していることとして、100億個の殺菌乳酸菌が添加されていました。


しかし、光岡博士の論によれば、乳酸菌は生きていても死んでいても、1日に最低1兆個は必要とされています。


100億個では100分の1にしかなりません。


しかも、1種類の菌でしかありません。


pie in the sky人の腸には100兆個400種類の細菌が棲んでいます。


100万分の1の菌数では、何の作用も与えられないと考えるのが常識だと思います。


さらに、この菌自体にも問題があります。


殺菌乳酸菌は菌数を多く集めるため、遠心分離機にて菌体を集めて、せっかく菌が作り出した代謝産物を洗い流します。


そして、きれいな菌体そのものになってしまいます。


乳酸菌は栄養のある適切な環境にて、発育・増殖して、菌から代謝物を作り出し、それが私達の健康に寄与するのです。


ヒトの腸内においては、乳酸菌そのものは発育させてもらえません。


乳酸菌を培養したときに、かろうじて作り出された代謝物が洗い流されてしまっては、何の働きも出来ないというのが、実情です。


まさに「絵に描いた餅」なのです。


after the Banquet聴講された方には、食品に乳酸菌を添加される際には、この実情を充分に吟味していただけるよう、お伝えいたしました。


一般消費者の方は、広告宣伝によって購入されますが、やはり体感が得られないものは、一過性に終わります。


私は、乳酸菌こそは一過性のブームで終わってはいけない、そのためには、ぜひともエビデンスも整備された、細胞に働きかける乳酸菌生産物質に注目していただきたいと、大手企業の方々を説得した次第です。


講演終了後の会場で募ったアンケート調査によりますと、ほとんどの企業の方が満足され理解された様子で、本当の乳酸菌時代の夜明けも間近いと確信するに至りました。


乳酸菌を「絵に描いた餅」にしないよう、皆様もご協力ください。


そして、講演の最後に「本当に乳酸菌を健康に役立てるには、ヨーグルトに乳酸菌生産物質を添加するのが早道です」というヒントを申し上げました。


ただしこればかりは、大手の乳業メーカーでないと実現しない難題であります。

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