2017.04.11

身近雑記

第61回 週刊新潮の特集記事「トクホの大嘘」について

weekly magazine週刊新潮では、3月30日、4月6日号と2週に渡って「トクホの大嘘」と題した特集記事が掲載されました。


トクホ(特定保健用食品)につきましては、昨年4月に発刊しました、私の著書『不老腸寿』(幻冬舎)の67~70頁に「トクホなら信頼できる?」という項目が記されておりますので、これをお読みいただければご理解いただけると思います。


ですが、このような事態が勃発しましたので、一部抜粋しつつ改めて私の見解を示しておこうと考えます。


「トクホマーク」は、以前は厚生労働省の表示許可制度でしたが、今は消費者庁の扱いとなっています。


1991年に発足した当時は、この制度を利用する企業はなく、厚生労働省側から、取得を勧めたという経緯があります。


26年も前のことですから、メタボリック症候群や生活習慣病といわれたところで、消費者にはあまり馴染みのない時代でした。


したがって、トクホマークを商品の宣伝に使うことの価値観が、企業・消費者間で共有されていなかったのです。


このことは、現在多くのトクホを取得されている大企業に在籍した、トクホを扱ったこともある方の昔話としてお聞きした話ですから、間違いありません。


その方に言わせると、まさか現在のように、資力と期間が必要で大企業でなければ取得できない制度になるとは、想像もできなかったそうです。


したがって、制度取得の難易度も自ずと変化してきたと思わざるを得ません。


instructions for reviewers週刊新潮では、査読付きの論文が争点になっていますが、査読といっても、識者の方が行うジャッジメントです。


人によって許容差があることは充分に理解した上で、消費者庁が認めるわけですから、役所が決定した事項は絶対に翻ることはありません。


そのため、現在では、動物試験、ヒト試験を何度も反復させることで、安全性と有効性が認められることになっております。


特に有効性に関しては、薬と同様の有意差が出ると認められません。


有意差は誤差の範囲から、ほんのわずか有意かなと判断された場合のみ認められます。


したがって、健康被害は出ない仕組みになっています。


しかしこのようにメカニズムが明らかで、効果が証明された成分でさえも、誰にでも同じように作用するとは限りません。


トクホの全てを疑うべきと言うつもりはありませんが、少なくとも「お腹の調子を整える食品」でトクホを取っているものについて、必ず自分のお腹にも良いだろうと盲目的に信じ込んでしまうのは良くないということだけは言えます。


この点に関しては、「信じ込ませてしまう」大企業のラジオ、テレビコマーシャルで目に余るものが多くなってきたことの責任が大きいでしょう。


元々、ほんのわずかな有意差なのです。


proof of authority「トクホ」をまるで水戸の御老公の印籠のように「これが目に入らぬか」と掲げ、表現の自由を免罪符に逸脱したコピーを放送するのはアンフェアーだと思います。


電波は国民の共有財産です。


「自粛すべきは放送に有り」と思います。


「トクホ」ではありませんが、大手企業のチョコレートのコピーにて「生きた乳酸菌が(腸まで)100倍とどく」と宣伝され、未曾有の売り上げになった商品がありますが、さすがに消費者庁から指導が入り、現在そのコピーは改訂して販売されております。


これは景品表示法に抵触している疑いがあり、保留扱いになっております。


すでに8ヶ月が経過していますが、未だ何の沙汰も出ておりませんので、役所の人事異動の前にでも決着を付けていただきたい案件です。


チョコレートの単なるデザインとして使われた「体に何の作用もしない」乳酸菌の典型的な例です。

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