2017.08.31

私的腸内細菌論

第68回 異常気象と腸内環境

abnormal weather異常気象とは、「数十年に1回程度の現象、あるいは人が一生の間にまれにしか経験しない現象」と気象庁は定義しています。皆様もこの一年間に経験されたニュースにて知った現象はまさに「異常気象」だと納得されていると思います。


私も77年近く生きてきて初めての経験です。これを毎年経験するようになると、それはもはや「普通の気象」となり、2047年以降は毎年過去150年間の最高気温を超え続けるようになる、という大変怖い研究結果をハワイ大学のカミロ・モラ教授が発表しています。


地球温暖化は未来の話ではなく、すでに現在の問題として地球に住む人類が直面し、経験している事実です。


この異常気象、私たちの健康にも大きく影響をもたらします。


特に腸内環境では、命の次に大切な腸内フローラをどのようにして正常に維持するか、気候の大きな変化から守って行くか、改めて注目しなければなりません。


今までのように、生まれてから自然に備わっている体の調整機能に頼ってはいられません。自分の身は自分で守る自覚を新たにする必要があり健康長寿のための要件に「異常気象への対応」を追加することになりそうです。


最初に考えることは、体温です。日本人の体温の正常値は36.89±0.34度(いわゆる平熱)とされています。正確な測定方法は、朝起きた時に口腔にて計る舌下体温です。1℃体温が下がると代謝が12%、免疫力が30%落ちると言われています。


異常気象からわが身を守るのは、まず体温からになります。すぐにできることで、日常生活で実行していないこと、それはお腹を冷やさないことです。おなかには腸があり、大切な腸内細菌群が常時休みなく活動していて、私たちの健康を守ってくれています。


thermometer昔の人は、お腹にサラシを巻いていました。金太郎の腹掛けもそうです。生活の知恵といえばそれまでですが、現代人で実行している人は少ないと思います。






腸内細菌群が最適に活動できる温度は37℃です。乳酸菌生産物質を製造するときの大型発酵タンクの温度も37℃です。しかしこの発酵をスタートさせるときは10℃から徐々に温度を何段階かかけて上げ、最終的に37℃にする操作を行います。ここに共棲培養のノウハウの一端があります。


そして菌群が37℃で活動を始めると、48時間この温度を保持します。この間に外部からの熱源は必要ありません。菌群自らエネルギーを出して活動します。その温度は37℃に固定され、私達の腸内細菌群も全く同様の働きをしていることに気付きます。体温の起源はここにあると仮定するとすべて繋がります。


人の場合小腸で吸収された残りの栄養物が大腸にやってきます。腸内の酸度も弱酸性にて無酸素状態にコントロールされ、一生に渡り、連続的に発酵が行われ、健康物質である乳酸菌生産物質が造られています。その温度が37℃に正確に保持されていて、それがそのまま体温に繋がっているということになります。


食べ過ぎて、体重が増加した時、脂肪がお腹のまわりについてきます。これも腸の温度を保持するための自然の摂理と考えると少しは気楽になります。


このようにして考えると、外部からお腹を冷やさないよう、日常的に注意が必要になります。外気温が目まぐるしく変わる最近の異常気象においては尚更です。


今回は異常気象に対応するには、まず自分の腸内細菌群を保護することが肝要であるという結論になりました。異常気象は自分の健康も異常になる可能性が十分にあるということです。まだ暑い日がつづきます。なにとぞご自愛専一に願いあげます。

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