2018.10.18

私的腸内細菌論

第86回 下町乳酸菌

10月14日に、テレビドラマ「下町ロケット」続編の放送が始まりました。


前編の「下町ロケット」については2015年12月22日の本欄でも感想を書きましたが、このドラマが"ものづくり"にまつわる話であるためか、ついつい我が身に置き換えて見てしまいます。


ドラマを視聴していると、私自身、先代の所長から踏襲した技術の成果が得られたとき言葉では表せない感動を覚えたことが、まるで昨日のように思い起こされました。


今回の"ものづくり"は、ロケットの精密部品でなく、農耕用トラクターの部品のお話しのようです。


barrierやはり、世界に通用する技術を競って大企業の高いハードルを乗り越えんとする心意気が伝わってきました。


当社はロケットでもトラクターの部品でもなく、ヒトの健康を司る食品を製造していますが、これからやって来る長寿の時代に、人々の健康と豊かな人生の営みを支えていくことが求められる製品です。


健康長寿については、安倍政権も"人生100年時代構想"を唱えており、今すぐ必要とされている国の財政を左右する国策であります。


そのような現在において、「下町ロケット」ならぬ「下町乳酸菌」は、永年のたゆまぬ研究と最新の遺伝子技術の発展にて、乳酸菌を進化させた乳酸菌生産物質として認められようとしております。


はからずも、今回ノーベル賞を受賞された本庶 佑 先生の開発された物質は、免疫力に理解を示さない学術界に対峙し続けた20年間の苦労の末、ようやく認められたという経緯があります。


ある有名大学の教授は、本庶先生の例に倣い、このようにおっしゃいます。


三菱田辺製薬の試験やメタボローム解析にて解明されつつある乳酸菌生産物質の免疫に関するステージについて、学術界が認めざるを得なくなるのは、本庶さんのノーベル賞受賞の経緯が物語っている、と。


「下町ロケット」では大手企業が、先行する技術力を以てハードルとなり主人公の前に立ち塞がりましたが、乳酸菌生産物質に関する技術など、大手企業では持ち合わせておりません。


それは、現在の細菌学には共棲培養というフィールドがないからです。


したがって学者の人々、大企業の研究者には、この大切な理論が欠落しているのです。


それは、私たちの腸内細菌はヒトが生まれたときから死に至るまで500種100兆個以上の共棲状態にて、健康物質(乳酸菌代謝物)を作り出し健康を守っているということ、そしてこの関係はヒトと腸内細菌の共棲であると同時に腸内細菌間でも共棲し、しっかりバランスを保っている、という共棲培養の理論です。


腸内細菌間の共棲について正しく理解している識者は、私が見たところ見当たりません。


共棲培養は腸内細菌学の基礎であり、これなくしては腸内細菌叢に関係するすべての論理が成り立つはずがありません。


この点が、教育を受けていない識者には見当が付かないらしいのです。


したがって、"生きて腸まで届く菌"とか"乳酸菌1000億個"などという謳い文句の広告が罷り通っているのでしょう。


安全性さえあれば、健康を育むことに期待できないものをイメージ先行で売りつけていいものでしょうか?


健康に貢献する物質を作るのであれば、腸内で共棲している菌叢を再現して、体の外でも人工的に健康物質を産み出すことが、何よりも理に適っています。


fine weather with rocketこの考え方が「下町乳酸菌」を世界に向けて発進するエンジンとなっています。


もはや学術界や大企業によるハードルはありません。


雲ひとつない、晴天に打ち上げられたロケットのように邁進することでしょう。

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