2019.02.21

私的腸内細菌論

第91回 腸内フローラと共棲培養

ヒトの腸内フローラは、多種類の腸内細菌が共棲状態を保持しながら多くのチームを編成していて、そのチームがお互いにバランスを保って腸に定着していると考えられています。

私たちの一生において、その腸内細菌のバランスというのはそうそうたやすく変化することはありません。

そして、チームを組んでいる腸内細菌も、編成された個々のチームも、マクロ的共棲状態にて常に活動しており、ヒトの健康を維持するための代謝物質を作り続けております。

日々の排便というのは正常であっても微妙な変化があるものですが、毎日それを観察していると、私には上記の腸内フローラの営みを部分的ではありますが、読み取ることが出来るようになりました。

 

 

previous generation 腸内フローラにおけるこの現象については、かなり科学的な解明が進んできたとはいえ、まだ神秘的な領域であり、まるでヒトが誕生するときに備わっている遺伝情報(ゲノム)の世界と同様に思えます。

先代の正垣所長は、こうした腸内フローラの働きを体の外で再現して、代謝物を作ることに着目したのです。

そして驚くことに、ヒトの腸内フローラに働きかけたり直接、体に作用する物質は、腸内細菌が共棲培養により代謝した物質でなければならない理由を、今から70年も遡る1949年と1950年の2回に渡る国会演説において、16種の有効細菌の共棲培養の原理として発表していたのです。

 

 

では、共棲培養について復習しておきましょう。

人為的に2種類以上の菌を混合培養すると、それぞれ単独の場合よりも生育が促進されることがありますが、この場合は共棲関係が存在しているとは申しません。

これは単なる混合培養です(学者の方々は、共培養ともおっしゃいます)。

菌の植え継ぎを繰り返していくと、菌同士の相性が合う・合わないという問題が起きて、バランスを保ちつつ安定的に植え継がれていないからです。

 

 

ところが、チーズや発酵バター製造に使われている種類の違う菌は、それぞれのポピュレーションを保ちながら、常に同じバランスで存在しているものがあります。

これこそ、菌同士に共棲関係が成り立っている例です。

長い何月をかけ、植え継がれて成立したケースなのです。

古代の中東ヨーロッパのヨーグルトにも、同じような過程を経て誕生し、伝統的食品として伝承されたものがあるのです。

 

 

founder laboratoryいずれにしても共棲状態というものは、長い年月をかけてこそ成立し得る、ということはハッキリしています。

弊社の場合も、ヨーグルトの時代から105年、代謝物(乳酸菌生産物質)という形になってから73年、日本食品分析センター多摩研究所で行った同定によって16種35株が確定してから16年の年月が、経過しております。

16種35株による500回以上の植え継ぎを繰り返し、今日に至っているのです。

体に働きかける物質(乳酸菌生産物質)は、腸内フローラが作る物質と同等のものでなければなりません。

そこには「共棲培養」が共通のキーワードとして存在するのです。

長い年月をかけて受け継がれてきた乳酸菌生産物質は、みなさまがテレビCM、新聞広告、ネット広告で目にされるビフィズス菌や乳酸菌とは、まったく次元の違う世界のものであることをお分かりいただけたかと思います。

 

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