KOEI乳酸菌

光英科学研究所・村田公英社長ブログ【私考欄】私的腸内細菌論

第72回 平成29年11月9日

presidentblog
第72回 “マイクロバイオータ“
#1~14:自分史編
#15:同窓会
#16:私の腸内細菌
#17:乳酸菌との対話
#18-1:純正醍醐論(その1)
#18-2:純正醍醐論(その2)
#18-3:純正醍醐論(その3)
#19:大谷光瑞師の墓碑
#20:乳酸菌生産物質白書
#21:紺屋の白袴
#22:第3の万能細胞
#23:メタボローム解析について
#24:メタボローム解析と腸……
#25:腸内細菌学会
#26:食物繊維
#27:発酵と中村吉右衛門
#28:「噛むこと」そして……
#29:フレンドリーコミュニ……
#30:おせち料理
#31:節分の思い出
#32:NHKスペシャル腸内フローラ
#33:「腸内フローラ」と……
#34:腸内フローラと大腸……
#35:ジェネリック医薬品
#36:ラジオ放送「ジャム……
#37:腸内フローラとクオラ……
#38:もの忘れドック検査
#39:物理的腸内フローラの……
#40:物理的腸内フローラ考……
#41:下町ロケット
#42:黒豆
#43:ポストヨーグルト1
#44:ポストヨーグルト2
#45:実践腸内フローラと便観察1
#46:実践腸内フローラと便観察2
#47:実践腸内フローラと便観察3
#48:書籍「不老‘腸’寿」……
#49:「不老‘腸’寿」編集後記1
#50:「不老‘腸’寿」編集後記2
#51:「不老‘腸’寿」編集後記3
#52:「不老‘腸’寿」編集後記4
#53:16種35株のミステリー
#54:テレビCMとリピート率
#55:アンチエイジングとプ……
#56:昔の乳酸菌生菌剤と現……
#57:光岡知足先生との対談1

#58:2017年1月13日
光岡知足先生との対談2


#59:2017年2月7日
光岡知足先生との対談3


#60:2017年3月23日
絵に描いた餅


#61:2017年4月11日
週刊新潮の特集記事「ト……


#62:2017年4月27日
楽しいゴールデンウィー……


#63:2017年5月23日
ヘルスフードエキスポ……


#64:2017年6月21日
共棲培養というすぐれ……


#65:2017年7月12日
KENJA GLOBALと社長ブ……


#66:2017年8月8日
ラボラトリーからファク……


#67:2017年8月9日
乳酸菌生産物質に賭け……


#68:2017年8月31日
異常気象と腸内環境


#69:2017年9月19日
鶏と乳酸菌生産物質


#70:2017年9月28日
緊急提言。脱「生きた……


#71:2017年10月19日
KENJA LIVE


#72:2017年11月9日
マイクロバイオータ
micro biota「腸内フローラ」という言葉は既に世間で一般的に使われるようになってまいりましたが、学術界では研究の最前線において「マイクロバイオータ」という呼称が出現するようになってきました。


この言葉は、ヒトの腸内などで共生している膨大な数の微生物の総称とされています。


腸内、皮膚、口腔などで、生体に棲み着いている微生物群のことです。


そしてその微生物群の持つゲノム情報の総体を、学術用語で「マイクロバイオーム」と呼称しております。


ゲノムについては、みなさまもご存知の、DNAのすべての遺伝情報のことで、親の生物学的な特徴を子供に伝えるためのDNAの構成の特定の部分を示しています。


例えばゲノム創薬といえば、ゲノム情報をもとにして薬を作ることです。


このように、ヒトの健康を考えるときにも、これからは遺伝子が主役になる時代がやってきたことになります。


マイクロバイオータ研究の進化とともに、これから生まれてくる赤ちゃんの平均寿命が100歳になるといっても何の不思議もない時代になったといえましょう。





letterなどと考えていると、先日、こういった研究の最前線におられる国立大学の薬学総合研究科の准教授の方から、次のような書簡が私宛に寄せられました。


その一部を、ご本人に了解も得られましたので、特別に本欄に引用させていただきます。





……この度、御社の「乳酸菌生産物質」に関する参考資料等をご送付してくださり、厚く御礼を申し上げます。


先生が長年に渡り「乳酸菌生産物質」の生産系の確立、安全性や有用性の探求などにご貢献されてきたことに深い敬意を表します。これらの研究成果は必ず人々の健康に大きく役に立つと信じております。私は大学で微生物学と免疫学を教える身として、先生がご強調されてきた「生産物質」の重要性について十分認識しております。また、最近の様々な研究により、先生のお考えの正しさが証明されてきております。


一方、近年のメタボローム等のオミックス技術の進歩と共に、次世代遺伝子解析技術の普及により、腸内フローラの全ゲノム解析も進められており、今後腸内細菌に関する研究成果が爆発的に増加してくると予想されます。私は究極的には、腸内フローラは薬の工場に変えられる技術や、体外培養により活性成分または薬を大量に生産できる技術などが確立される日が来ると信じております。近年腸における免疫調節機構が癌、循環器や神経疾患など様々な疾患に深く関わり、腸内フローラの二次代謝産物は極めて重要な調節的な役割を果たしていることが判明され、今後もこれらの研究がさらに大きく発展されると思われます。


御社と田辺との共同研究成果及びメタボローム解析結果について大変興味深く拝見させていただきました。私は現在癌細胞の増殖制御に関わるタンパク質のエピジェネティック制御分子機構や細胞のオートファジー(昨年の大隅先生のノーベル賞生理学賞対象の研究)誘導機構等の研究も進めており、これらの研究をベースにした「生産物質」の調節活性及び作用機構の探索研究が可能と考え、更に免疫制御への関与とその作用機構の研究や、抗ウィルス(インフルエンザやヘルペスウィルス)活性の探索研究等の研究へも展開可能と考えております。……







ご覧の通り、専門用語が頻出するため、どなたにでもわかる内容ではないとは思われます。


しかしこの方が、乳酸菌生産物質について学術界で最大の理解者であるということ、ひいては、それはご自身の研究が「生産物質」そのものであったためと理解することはできます。


この手紙は、学術界からの一筋の光明といえます。


このような最先端の現場で活躍される理解者が、より多く出現されることを心から願うばかりです。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第68回 平成29年8月31日

presidentblog
第68回 “異常気象と腸内環境“
#1~14:自分史編
#15:同窓会
#16:私の腸内細菌
#17:乳酸菌との対話
#18-1:純正醍醐論(その1)
#18-2:純正醍醐論(その2)
#18-3:純正醍醐論(その3)
#19:大谷光瑞師の墓碑
#20:乳酸菌生産物質白書
#21:紺屋の白袴
#22:第3の万能細胞
#23:メタボローム解析について
#24:メタボローム解析と腸……
#25:腸内細菌学会
#26:食物繊維
#27:発酵と中村吉右衛門
#28:「噛むこと」そして……
#29:フレンドリーコミュニ……
#30:おせち料理
#31:節分の思い出
#32:NHKスペシャル腸内フローラ
#33:「腸内フローラ」と……
#34:腸内フローラと大腸……
#35:ジェネリック医薬品
#36:ラジオ放送「ジャム……
#37:腸内フローラとクオラ……
#38:もの忘れドック検査
#39:物理的腸内フローラの……
#40:物理的腸内フローラ考……
#41:下町ロケット
#42:黒豆
#43:ポストヨーグルト1
#44:ポストヨーグルト2
#45:実践腸内フローラと便観察1
#46:実践腸内フローラと便観察2
#47:実践腸内フローラと便観察3
#48:書籍「不老‘腸’寿」……
#49:「不老‘腸’寿」編集後記1
#50:「不老‘腸’寿」編集後記2
#51:「不老‘腸’寿」編集後記3
#52:「不老‘腸’寿」編集後記4
#53:16種35株のミステリー
#54:テレビCMとリピート率
#55:アンチエイジングとプ……
#56:昔の乳酸菌生菌剤と現……
#57:光岡知足先生との対談1

#58:2017年1月13日
光岡知足先生との対談2


#59:2017年2月7日
光岡知足先生との対談3


#60:2017年3月23日
絵に描いた餅


#61:2017年4月11日
週刊新潮の特集記事「ト……


#62:2017年4月27日
楽しいゴールデンウィー……


#63:2017年5月23日
ヘルスフードエキスポ……


#64:2017年6月21日
共棲培養というすぐれ……


#65:2017年7月12日
KENJA GLOBALと社長ブ……


#66:2017年8月8日
ラボラトリーからファク……


#67:2017年8月9日
乳酸菌生産物質に賭け……


#68:2017年8月31日
異常気象と腸内環境
abnormal weather異常気象とは、「数十年に1回程度の現象、あるいは人が一生の間にまれにしか経験しない現象」と気象庁は定義しています。皆様もこの一年間に経験されたニュースにて知った現象はまさに「異常気象」だと納得されていると思います。


私も77年近く生きてきて初めての経験です。これを毎年経験するようになると、それはもはや「普通の気象」となり、2047年以降は毎年過去150年間の最高気温を超え続けるようになる、という大変怖い研究結果をハワイ大学のカミロ・モラ教授が発表しています。


地球温暖化は未来の話ではなく、すでに現在の問題として地球に住む人類が直面し、経験している事実です。





この異常気象、私たちの健康にも大きく影響をもたらします。


特に腸内環境では、命の次に大切な腸内フローラをどのようにして正常に維持するか、気候の大きな変化から守って行くか、改めて注目しなければなりません。


今までのように、生まれてから自然に備わっている体の調整機能に頼ってはいられません。自分の身は自分で守る自覚を新たにする必要があり健康長寿のための要件に「異常気象への対応」を追加することになりそうです。


最初に考えることは、体温です。日本人の体温の正常値は36.89±0.34度(いわゆる平熱)とされています。正確な測定方法は、朝起きた時に口腔にて計る舌下体温です。1℃体温が下がると代謝が12%、免疫力が30%落ちると言われています。


異常気象からわが身を守るのは、まず体温からになります。すぐにできることで、日常生活で実行していないこと、それはお腹を冷やさないことです。おなかには腸があり、大切な腸内細菌群が常時休みなく活動していて、私たちの健康を守ってくれています。


thermometer昔の人は、お腹にサラシを巻いていました。金太郎の腹掛けもそうです。生活の知恵といえばそれまでですが、現代人で実行している人は少ないと思います。





腸内細菌群が最適に活動できる温度は37℃です。乳酸菌生産物質を製造するときの大型発酵タンクの温度も37℃です。しかしこの発酵をスタートさせるときは10℃から徐々に温度を何段階かかけて上げ、最終的に37℃にする操作を行います。ここに共棲培養のノウハウの一端があります。


そして菌群が37℃で活動を始めると、48時間この温度を保持します。この間に外部からの熱源は必要ありません。菌群自らエネルギーを出して活動します。その温度は37℃に固定され、私達の腸内細菌群も全く同様の働きをしていることに気付きます。体温の起源はここにあると仮定するとすべて繋がります。


人の場合小腸で吸収された残りの栄養物が大腸にやってきます。腸内の酸度も弱酸性にて無酸素状態にコントロールされ、一生に渡り、連続的に発酵が行われ、健康物質である乳酸菌生産物質が造られています。その温度が37℃に正確に保持されていて、それがそのまま体温に繋がっているということになります。


食べ過ぎて、体重が増加した時、脂肪がお腹のまわりについてきます。これも腸の温度を保持するための自然の摂理と考えると少しは気楽になります。


このようにして考えると、外部からお腹を冷やさないよう、日常的に注意が必要になります。外気温が目まぐるしく変わる最近の異常気象においては尚更です。


今回は異常気象に対応するには、まず自分の腸内細菌群を保護することが肝要であるという結論になりました。異常気象は自分の健康も異常になる可能性が十分にあるということです。まだ暑い日がつづきます。なにとぞご自愛専一に願いあげます。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第64回 平成29年6月21日

presidentblog
第64回 “共棲培養というすぐれもの“
#1~14:自分史編
#15:同窓会
#16:私の腸内細菌
#17:乳酸菌との対話
#18-1:純正醍醐論(その1)
#18-2:純正醍醐論(その2)
#18-3:純正醍醐論(その3)
#19:大谷光瑞師の墓碑
#20:乳酸菌生産物質白書
#21:紺屋の白袴
#22:第3の万能細胞
#23:メタボローム解析について
#24:メタボローム解析と腸……
#25:腸内細菌学会
#26:食物繊維
#27:発酵と中村吉右衛門
#28:「噛むこと」そして……
#29:フレンドリーコミュニ……
#30:おせち料理
#31:節分の思い出
#32:NHKスペシャル腸内フローラ
#33:「腸内フローラ」と……
#34:腸内フローラと大腸……
#35:ジェネリック医薬品
#36:ラジオ放送「ジャム……
#37:腸内フローラとクオラ……
#38:もの忘れドック検査
#39:物理的腸内フローラの……
#40:物理的腸内フローラ考……
#41:下町ロケット
#42:黒豆
#43:ポストヨーグルト1
#44:ポストヨーグルト2
#45:実践腸内フローラと便観察1
#46:実践腸内フローラと便観察2
#47:実践腸内フローラと便観察3
#48:書籍「不老‘腸’寿」……
#49:「不老‘腸’寿」編集後記1
#50:「不老‘腸’寿」編集後記2
#51:「不老‘腸’寿」編集後記3
#52:「不老‘腸’寿」編集後記4
#53:16種35株のミステリー
#54:テレビCMとリピート率
#55:アンチエイジングとプ……
#56:昔の乳酸菌生菌剤と現……
#57:光岡知足先生との対談1

#58:2017年1月13日
光岡知足先生との対談2


#59:2017年2月7日
光岡知足先生との対談3


#60:2017年3月23日
絵に描いた餅


#61:2017年4月11日
週刊新潮の特集記事「ト……


#62:2017年4月27日
楽しいゴールデンウィー……


#63:2017年5月23日
ヘルスフードエキスポ……


#64:2017年6月21日
共棲培養というすぐれもの
co-culturing共棲培養という弊社独自の培養法について、できるだけ多くのみなさまにご理解いただくきたく、ページをリニューアルし、さらに専用のページを設けることにしました。
▼リニューアル:「共生培養」
▼新設ページ:「同定」


乳酸菌生産物質を正しく評価するには、避けて通れない大切な事象ですから、ぜひお読みいただきたく思います。


と申しますのも、大学の偉い先生方におかれましても、今まで「共棲培養」の実態やメカニズムについて、質問された方が誰一人おられないような状況を、歯痒く感じるからなのです。


先生方の頭の引き出しの中に存在しない概念なのか? 価値観として認められないのか?……その理由は不明です。


そこで、考えられる要因を私なりに考えてみました。





複数の菌種を同じ培養液の中で培養するときに、適当に菌種を選び混合し行うことを、混合培養と申します。


そして、一度の培養に留まらず、菌のための栄養物を加えながら、何度も培養を繰り返していくと、最後に淘汰された一種類の菌が残ります。


入門したての研究者は、これが細菌学の常識であると直属の先生から教えられるので、その後も専門知識として頭の中に刻み込まれているはずです。


プロバイオティクスにおいても、一種類の菌の性状を見極めるには、これが基礎となり、多種類の菌が混在した中から一種類を取り出す操作(これを「単離」といいます)を行い、他の菌が混入しないよう、培養を繰り返します。


これを純粋培養と申します。


これが現在の学問の終着点となっているのが現状ですので、残念ながら共棲培養という“引き出し”は、細菌学の世界には存在し得ないようです。


仮に、共棲状態ではない単なる複数の菌を同時に培養した場合は、それは共棲培養とは呼べず、混合培養と表現します。


そして、一種類の強い菌が残ると教育されるのです。





翻って、私たちの腸内フローラを形成している腸内細菌の生きざまは、どうでしょうか?


彼らは生まれたときから、チームを編成して腸内に棲みついています。


そして腸内では培養が繰り返し行われていますが、菌のバランスは保たれています。


これは決して純粋培養ではありません。


明らかに、菌の共棲状態が確立している共棲培養なのです。


先生方は「人と共生している」と簡単に片付けておられますが、ここが見逃してはいけない重要な点なのです。


先代の正垣所長はこの共棲状態に着目したのです。


そして、これを何とか体の外でも再現出来ないものか、と研究を開始しました。


おそらく、世界で初めての着想であったに違いありません。


かつてNHKスペシャル「腸内フローラ・解明!驚異の細菌パワー」も言ったように、腸内フローラの作る物質が健康を左右すると正垣所長が思ったかどうかはわかりません。


しかし、確かにそのとき、共棲培養の種は蒔かれたのです。


そして永い年月をかけ、正垣所長は、乳酸菌に関する感性と生来の直観力により、菌の組み合わせに成功したのです。





私が研究所に入所した当初は、いきなり菌の培養の現場で複数の菌が共棲しているところに直面させられました。


大学に入学し細菌学の入門として行うような、多種の菌の中から一種を選ぶ純粋培養ではありませんでした。


つまり現在の教育方法とは正反対のやり方でしたが、実は「共棲」という感性を養わせる方策だったのです。


かく言う私も、共棲培養の基本とするために、後になって純粋培養を行っているのは言うまでもありません。


乳酸菌が本当に私たちの健康に寄与できるチカラを得るには、共棲培養の必要性があり、その操作を行うには、共棲に関する感性が身に沁みついた者でなければその適性がないと、この歳になって感じる次第であります。





光岡先生は先日の週刊新潮主宰の私との対談時に、共棲培養について、16種35株にいたる経緯を質問されました。


腸内細菌に取り組んできた経験者として、私から詳細にご説明申し上げたところ、「それで解った、16種35株で必要十分です」と納得していただくことができました。


今さら他の識者の方々にも「共棲培養」の“引き出し”を養っていただこうと思ってはおりません。


しかし、もしこれが欧米の識者に認知され日本へ逆輸入されるようなことがあったときは、学術界も業界も共棲培養の価値を見直さざるを得ないのでしょうが、それではあまりにも寂しいではありませんか。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第55回 平成28年11月10日

presidentblog
第55回 “アンチエイジングとプロダクトエイジング“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”


(44)2016年3月2日
“ポストヨーグルト(その2)”


(45)2016年3月24日
“実践、腸内フローラと便観察(その1)”


(46)2016年4月7日
“実践、腸内フローラと便観察(その2)”


(47)2016年4月21日
“実践、腸内フローラと便観察(その3)”


(48)2016年6月7日
“書籍「不老‘腸’寿」発刊について”


(49)2016年7月4日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その1)”


(50)2016年7月28日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その2)”


(51)2016年8月10日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その3)”


(52)2016年8月29日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その4)”


(53)2016年9月26日
“16種35株のミステリー”


(54)2016年10月17日
“テレビCMとリピート率”


(55)2016年11月10日
“アンチエイジングとプロダクトエイジング”
またまた、NHKスペシャルが話題になっています。


そう、2016年10月29日に放送された「あなたもなれる“健康長寿” 徹底解明100歳の世界」のことです。


今回はこの番組についてお話ししたく、実際ご覧になっていた方も多くいらっしゃるとは思いますが、私が感じたことについて簡単にまとめてみました。





centenarian100歳以上の方をセンテナリアンなどと申しますが、このセンテナリアンは過去最高となる6万5千人を超えたそうで、みなさまのまわりにもいらっしゃることと思います。


番組には、みなさまもよくご存知の105歳の医師、日野原重明さんが出演されました。


日本人の平均寿命は、平成28年7月発表で男性80.79歳/女性87.05歳にて、世界でそれぞれ3位と2位にあります。


平均寿命とは、死亡年齢の平均ではなく、生まれてから何歳まで生きるかという数値であり、言い換えればこれから何歳まで生きられるのか?という予測値であることは、よくご存知かと思います。


戦前は40代前半と50歳に満たなかった値が、ここ70年間で約2倍にまで、右肩上がりの伸びを示しているのです。


75歳まで生きている人が、男性74.1%/女性87.3%いらっしゃいます。


平均寿命が90歳を超える日もそう遠くない時代がやってくるのです。


つまり100歳以上のセンテナリアンは、もはや他人事ではないということです。


とにかく100歳まで健康に生きなければ、家族や隣人に迷惑をかけることにもなりかねません。





product aging今までは、とかくアンチエイジング、抗老化、抗加齢が人生後半のテーマとなっていて、体が成熟した後の死に至るまでの期間は、みなが健康を維持すべく若さを保ち、老化という時計の針を遅らせることに目標を置いていました。



ところが、これからのセンテナリアンの時代はそれだけでは通用せず、プロダクトエイジングいわば生涯現役社会へと突入する運命にあるということなのです。


好むと好まざるにかかわらず、積極的に加齢と取り組まざるを得ない世の中になってまいります。


では、どうすればよいのか? この番組の中で日野原先生は、20年前(つまり85歳のとき)から、プロダクトエイジングを実行したと申されておりました。





C-reactive protein番組では、老年的超越のカギとなるのは健康長寿の先にあり、それは全身の抗慢性炎症にあると説明していました。


急性炎症と違い慢性炎症は、加齢とともに全身に渡り拡がっていきます。


定期健康診断では、血液検査にCRPという指標がありますが、一般的な基準値は0.3以下とされています。


これより高いと炎症があると見なされる数値です。


番組で紹介されたセンテナリアンは、実に0.03という値でしたから、慢性炎症が極めて低いということになります。


そしてこれからが本論なのですが、やはり腸内環境、腸内フローラのバランスが良い人に炎症が少ないという結論を伝えていました。





そこで私は、当社で解析した乳酸菌生産物質のメタボローム分析を顧みました。


代謝産物の中に細胞に作用する遺伝子レベルの物質にて、アンチエイジングに係る抗酸化、酸化還元物質が多くあり、さらに、多くのプロダクトエイジングに係る抗炎症物質が存在していることを見付けたのです。


ヒトの体内では、バランスのとれた腸内フローラから同様の物質が作り出されており、それが健康を守っていることを改めて思い知らされました。


ここで注意しなければならないのは、腸内環境を常に良好な状態に保つことは当たり前ですが、それでも加齢に伴う機能の低下は避けられない、ということです。


そこで、乳酸菌生産物質の出番となります。


体の外で、人工的な腸内細菌フローラから作り出された物質からも、多岐に渡る有用物質がメタボローム分析で発見されているのです。


やはり、100歳・センテナリアンへの道は、これしかないというところに落ち着きました。


みなさま、ガッテンされましたでしょうか?


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第53回 平成28年9月26日

presidentblog
第53回 “16種35株のミステリー“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”


(44)2016年3月2日
“ポストヨーグルト(その2)”


(45)2016年3月24日
“実践、腸内フローラと便観察(その1)”


(46)2016年4月7日
“実践、腸内フローラと便観察(その2)”


(47)2016年4月21日
“実践、腸内フローラと便観察(その3)”


(48)2016年6月7日
“書籍「不老‘腸’寿」発刊について”


(49)2016年7月4日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その1)”


(50)2016年7月28日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その2)”


(51)2016年8月10日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その3)”


(52)2016年8月29日
“「不老‘腸’寿」編集後記(その4)”


(53)2016年9月26日
“16種35株のミステリー”
前回の本欄で、カナダのエッセイストの方からのお便りをご紹介しました。


そちらには、私の著書「不老‘腸’寿」がミステリー風で、最後の最後に登場する食品のことを考えながらワクワク、ドキドキで読みました、と思いが寄せられていました。


しかし、当社の永年の研究開発によるビフィズス菌を含む16種35株の乳酸菌の共棲培養は、まさにミステリーの世界だと私は思うのです。





mystery or suspenseところでみなさんは、ミステリーとサスペンスの違いをご存知でしょうか?


最初から犯人が分かっている刑事コロンボや古畑任三郎のようなストーリー、これはサスペンスです。


対して、最後に犯人が明らかになるのがミステリー、たとえばヒッチコックの映画やアガサクリスティーの推理小説ですね。


後者には神秘、不思議、謎の意味が込められており、それが鑑賞する者にとってはひとつの醍醐味となっています。





もともと、先代の正垣所長から私が受け継いだ16種の乳酸菌の組み合わせは完全なものである、という自信はありました。


しかしながら、それを立証するには“同定”という作業が必要でしたので、日本食品分析センターにて同定を行った結果、16種の乳酸菌は株数にして35株に分けられ16種35株が確定したのです。


この証明を以てして、共棲培養の不思議の謎が解け、永年のミステリーが結末を迎えたのです。


世に有名なヤクルト菌と呼ばれるものは、ラクトバチルス・カゼイ種・シロタ株と、ひとつの株の単位で表現されます。


この方式に倣いますと当社の菌は、35株ものエース級の菌の集合体であり、それは種類でいえば16種におよぶということであって、16種35株から成る優秀な善玉菌フローラを形成できるのです。


少々難解なミステリーなのですが、今後は16種と言うよりも35株という表現をすることで、みなさまにもその実態がおわかりいただけるかもしれないと思っている次第です。





mystery endingそれにしても内心ホッと胸を撫で下ろさざるを得ないのは、16種35株のミステリーには、松本清張が用意するようなどんでん返しは無かった、ということでございます。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第47回 平成28年4月21日

presidentblog
第47回 “実践、腸内フローラと便観察(その3)“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”


(44)2016年3月2日
“ポストヨーグルト(その2)”


(45)2016年3月24日
“実践、腸内フローラと便観察(その1)”


(46)2016年4月7日
“実践、腸内フローラと便観察(その2)”


(47)2016年4月21日
“実践、腸内フローラと便観察(その3)”
今回は、便観察のまとめと考察をしてみました。ここに記すことは、高齢の方ならば健康寿命延長のため、ぜひ実践されることをお勧めします。


まず便の量についてですが、食べる量が少ないと、どうしても排便量も少なくなりますが、これはサラダなどの生野菜を毎日食べることで補えます。


同時に便秘にもなりませんから、一石二鳥です(あくまでも調理しない生野菜です。ミキサーでジュースにすることもやめてください)。


weight scale唐突に、体重計の話をいたしますが、少しばかり高価ながら10g単位で表示できる体重計をご使用になることをお勧めします。普通のものですと、100gまでしか表示しません。


今はデジタル表示になりましたが、細かい変化が読みとれず日々の体重の増減の傾向が判断出来ません。排便の前後の体重を正確に計ることが出来れば、便の重さも判別出来ますし、目で見た量を重量に変換して確認出来るのです。


面倒なことと思われるかもしれませんが、命に繋がることです。ここまで徹底する必要があると私は思います。


臭いについても、排便量が安定してコントロールされていれば、おのずと無臭に近い、毎日決まった臭いになります。


私の場合、毎日300~400gで同じ色で、臭いの変化のない便を観察しています。


ここで気を付けなければならないのは、高齢になると、便意が脳に安定して伝わらなくなるということです。そのためにも、朝は決まった時間にトイレに行き、落ち着いて排便するようしてください。


そうすれば決まった量の便を見ることが出来ます。気分もスッキリして、精神的にも良好な一日が過ごせます。


結論から申し上げますと、高齢化による体力低下同様、腸の能力の劣化も自然の成り行きです。


医療が進展して健康寿命は、ある程度延ばすことが可能になりましたが、腸の発酵タンクの劣化はそれと関係なく進んでいきます。老化とともに、健康を決定する物質の生産が少なくなっているのです。


この現象は体全体にガソリンが行き渡らないのと同様ですから、免疫力も落ちていきます。こればかりは、国の推奨している栄養素を満足に摂取しても、ブレーキをかけることなど不可能です。


唯一残された方策が、衰えた腸の動作を補助して腸の生産する物質を補充することにあります。


腸に負担をかけない食生活をはじめとする健全な生活習慣と、乳酸菌生産物質のコンスタントな補充しか高齢化社会を歩む道は残されていないと思っています。





(追記:『加齢と100歳長寿について考える』


sound health若い頃は「無病息災」が可能でしたが、歳を重ねると、定期的な健康診断で注意され「一病息災」となり、常に健康に注意する生活が健康的寿命にはプラスとなります。




さらに高齢になると「有病息災」となり、病気は持っていても生活に支障のない生き方をするのが、家族に負担をかけない生き方としてみなさまが望まれている道だと思います。


しかし、70歳を越えて加齢を重ねると、体の劣化による病に対して意図的に自覚した健康保持をしなければ、100歳の坂は越えられないと思うのです。


このハードルをクリアするには、まさに「先手必勝」。総合的に健康維持をしてくれる乳酸菌生産物質を活用することだと、私は自覚しております。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第46回 平成28年4月7日

presidentblog
第46回 “実践、腸内フローラと便観察(その2)“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”


(44)2016年3月2日
“ポストヨーグルト(その2)”


(45)2016年3月24日
“実践、腸内フローラと便観察(その1)”


(46)2016年4月7日
“実践、腸内フローラと便観察(その2)”
color今回は便の色と臭いについて、説明します。


まず、便の色から観察してみましょう。腸内フローラが善玉菌優勢の正常な稼働をしていれば、ほぼ一定した黄土色の便となります。


ただし、食べたものによっては変化することがありますので、大きな変化の場合があれば、昨日一昨日に食べたものを思い出してみてください。


個人差はありますが、年齢を重ねるにつれ黄色から茶色、濃い茶色へと変化してゆく傾向にあります。この色は、腸内発酵タンクのPH(酸性レベル)により変化していきます。


毎日同じ色の便が見られるよう、食事に留意することが大切です。


そして食事の内容と便の色との相互関係が読み取れるようになりますと、毎日飲んでいる乳酸菌生産物質が腸内フローラをいかに正常にコントロールしているか、身をもってお解りいただけるようになります。


具体的な例を申し上げますと、お肉をたくさん食べると普通は濃い茶色系の便になりますが、乳酸菌生産物質を飲んでいるとふだんとは大差ない黄土色の便を見ることが出来ます。悪臭もありません。


肉類の動物性タンパク質は、高齢者には元気を保つためにある程度必要とされてはいますが、ほどほどにしませんと、小腸で吸収出来ずに余ったものが大腸に行き、悪玉菌の好むエサになってしまいます。


ところが乳酸菌生産物質には、悪玉菌の増殖を抑制するハタラキがありますので、肉を大量に食べたときの便の色を見ても、悪玉菌が働いた形跡が見当たらないという貴重な観察が出来ます。





nose次に、便の臭いについての観察です。便のチェックの中で、最も重要なポイントがこの「臭い」です。


ただし、便が排泄されて便器の水たまりの中に落ちる、まさに一秒足らずの間に発散される臭いを嗅ぎ取らねばなりません。


この臭いというのは、腸内の発酵タンクで菌が発散している独自のものです。その人その人が持っている、各々の腸内フローラから出るものゆえ、同じものを食べても人によって臭いに違いがあります。


もし自分自身で、何を食べたときの臭いか判別できるようになれば、しめたものです。


私は、自分の便からの臭いで腸内フローラの調子が判別できますが、これは、永年研究に携わったおかげで、多くの菌が発する臭いを嗅ぎ分けることができるようになったのです。


それは、共棲培養によって集まった菌のチームが発する臭いを、つぶさにチェックする必要があったからなのです。


チームワークの状態がどうかは、臭いで判ります。培地(菌のエサ)によって菌の代謝産物が異なりますから、同じ菌でも臭いが異なります。


一口に臭いとは言いますが、ガスですから多くの成分を含んでおります。


乳酸菌から出るガスは、家庭用冷蔵庫の冷却エレメントを腐食させますから、試験管からガスが漏れないよう配慮が必要です。


菌から発散されるガスで、冷蔵庫が故障してしまうのです(キムチを大量に冷蔵保存している場合など、要注意です。横浜の中華街近くにはキムチ専用冷蔵庫まで売られています)。


さて、臭いには強弱もあります。


ほとんど臭いを感じない場合もあれば、強い臭いを感じるとき……、排便の際はそれぞれ体験しますが、臭いを感じ取れない場合は腸内フローラが良好にコントロールされているときです。


ただしそのときの腸内環境によっては強い臭いを感じることがありますので、食事内容、量、食べた時間、腸の調子、気候の変化等々の影響について、ご自分で分析してみることも大切です。


若いときには好きなものを好きなときに食べても構いませんが、高齢になってきますと、便を詳細に観察して食べるものと量と時間を決定する、というような食生活を励行することが、健康長寿の基本となると私は思っています。


ほとんど無臭に近くて常に安定した正常な排便は、乳酸菌生産物質が補佐した腸内フローラから得られる、ということが特に高齢の愛用者の方々からの声として伝えられ広く知られています。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第45回 平成28年3月24日 

presidentblog
第45回 “実践、腸内フローラと便観察(その1)“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”


(44)2016年3月2日
“ポストヨーグルト(その2)”


(45)2016年3月24日
“実践、腸内フローラと便観察(その1)”
腸内環境に関する書物等では必ず、「便」と健康の関係について説明されているので、既にみなさまも良くご存じのテーマかと思いますが、知識だけが先行し健康長寿のためそれを活用されている方はあまり多くないようです。


しかし、ご自分の健康のためにはぜひ毎日実践していただきたく、成果が得られるような方法を私の経験も含めまして提案させていただきますので、数回に渡る内容になるかと思いますがぜひ最後までお付き合いください。





toiletまず便の量について、説明します。


健康な人ほど便の量が多く、当然のことですが腸内細菌の数も多く、善玉菌が優勢で腸内フローラがバランス良く安定して作動していることがわかります。


このような人は一日当たり200~300gの野菜類を摂取していて、それはバナナに換算すると2~3本分はあります。


現代人の食生活は変化していて、食物繊維を食べる量はどうしても少なくなっています。


特に高齢化社会になるとともに、食事の量じたい少なくなっているのが顕著な原因です。


そこは、いろいろなサプリメントで補っているから大丈夫だろう、と思っている方が多くなっていますが、ヒトの体はそう簡単にはごまかせません。みなさまの腸内タンクの中に住み着いている腸内フローラは、尚更です。


コンビニやスーパーに行けば、いろいろなサラダのパックが200~300円程度で売っていますので毎日食べてみてください。カロリーは150kcalくらいですので、食事に加えても大丈夫です。


適度な大きさの野菜の繊維が、腸内を正常な容積に保ってくれ善玉菌のエサにもなります。


これを続けていると、自ずと便の量は多くなってきます。それも毎日、決まった量の排便に繋がります。


特に肉類を多く食べる傾向にある方は、必ず実行してください。


raw vegetables温野菜にするとか、調理の野菜を多くするとか、いろいろと面倒臭いことをすると長続きしません。続けることこそが成果になります。


ひたすら生野菜を食べてください。それも食事の一番最初に食べることをお勧めします。





次に便の形状と組成について、です。


バナナ状の10~15cmのものが、2~3本に分かれて出て来ます。直径は2~3cmです。


腸内発酵タンクが良好なコンディションにて動作して形成された便は、高密度でなく、ある程度、気泡を含んでいますから、水洗で流すとその形がパッと分散して流されていきます。


また、気泡が多いと、水に浮いた状態で横になっています。


食事の内容によっては高密度になって、形はそのままで流されていきます。


細かいことを申し上げますが、排便の際にはここまで観察して毎日の変化を記憶しておくことが肝要です。


このとき、昨日、一昨日に召し上がった食事の内容を思い出して関連付けることも大切です。


ご自分の腸内フローラの正体を知っておくのに必要事項となりますので。


次回は便の色と臭いについて、ご説明します。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第44回 平成28年3月2日 

presidentblog
第44回 “ポストヨーグルト(その2)“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”


(44)2016年3月2日
“ポストヨーグルト(その2)”
opinion is divided前回はヨーグルトの機能性について説明いたしましたが、この産業については専門外の方々も諸説紛々としてる状態ですので、整理しておく必要があると思い、私の経験上からの意見を述べさせていただきます。


まず、腸内フローラ改善のためのヨーグルトの摂り方として、いろいろな種類が販売されているヨーグルトを一週間くらい次々と食べ続けてみて、腸の調子、便の様子等観察し、変化の認められるものをマイヨーグルトとするのが良いとの説があります。


そもそも、ヨーグルトに機能性を考えて造られているものはありません。すべて、味や香り、舌触りが優れている目的を以て造られています。買う人の立場に立つと“おいしいヨーグルト”が売れているからです。


乳酸菌も菌種によって発酵したときの風味が異なりますから、各メーカーとも風味の良くなることを目的として、2~3種の乳酸菌を組み合わせる研究をしています。


また、なるべく短時間で一定のものが出来るようにしませんと、製造経費がかさんでしまいます。


こういった条件を満たす菌の選択肢はそんなに多くありませんので、出来上がったヨーグルトは多種販売されていますが、使用されている菌種は意外と少ないのです。


“自分の腸に合ったヨーグルト”とは、私たちの腸内フローラが抱える菌と相性の良い菌、という希望的な観測によるものと考えられますが、私たちの腸内細菌はチームで存在しています。


万一、相性の良い菌と遭遇出来たとしても、チームからは排除されてしまうのです。


仮にあるヨーグルトを食べ腸や便に変化があったとすれば、たまたま腸内環境がその期間に食物など他の要素により変動したからなのです。





次に、ビフィズスヨーグルトが腸内ビフィズス菌のエサになるという通説の誤解について説明いたします。


ビフィズスヨーグルトは、ミルクを培地にして造られています。


ビフィズス菌が生きたまま大腸まで到達したとします。


しかしやはりビフィズス菌は、腸内フローラの菌チームからは排除され発育・定着出来ません。


培地のミルクは、腸内のビフィズス菌のエサにはなりません。


これは試験管の実験で実証されています。


ただし、ビフィズスヨーグルトを製造する際にその増殖過程にて、わずかに代謝産物を放出します。


その産物であれば、腸内フローラは受け入れてくれます。


エサとしてではなく、バイオジェニックスとして、です。





co-culturingここまで申し上げれば、バイオジェニックスのヨーグルトがなぜ発売されないのだろうと疑問に思う方が多いことと思います。


最大の要因は、乳酸菌、ビフィズス菌の共棲培養をする技術がないからです。


そして、肝心のヨーグルトの風味と共棲培養が両立しないという問題点もあります。


しかし、解決方法はあります。


バイオジェニックスの代表格の乳酸菌生産物質は、微量でも多大の機能性を有しております。


ですから、風味を損なうことなく微量に添加することで目的は達成されます。


残る問題は、そこまで先見の明があるヨーグルトメーカーが存在しているか、です。


しかし、現在進行中である機能性表示が可能な食品の法律が確立されれば、話は別になってまいります。


機能性のエビデンスを取得していれば、前途は自ずと開けてくるでしょう。


乳酸菌生産物質のエビデンスを取得しておいて良かったと、改めて思っておる次第です。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第43回 平成28年2月18日 

presidentblog
第43回 “ポストヨーグルト(その1)“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”


(41)2015年12月22日
“下町ロケット”


(42)2016年1月28日
“黒豆”


(43)2016年2月18日
“ポストヨーグルト(その1)”
高齢化社会と健康長寿がクローズアップされております。


テレビからは、健康食品に関連するコマーシャル等が一日中目に入ってきます。


その中で昔から知られていて、今も根強い人気のあるヨーグルトについて、本当のお話しをさせていただきたいと思います。





postyogurtスーパーマーケットのヨーグルト売り場でしばらく立ち止まっていると、いろいろなヨーグルトが次々と買い物カゴに入れられていくのを目にします。


東日本大震災のときに、ヨーグルトの棚がまるで空になってしまったのには驚きました。


数週間して入庫して来ても、お一人一個限りと書いてありました。


やはり嗜好品ではなく、健康のための必需品となっていることを思い知らされた次第です。


そうであればこそ、これからお話しすることは消費者の方々にぜひ知っておいていただきたいことなのです。





最近になって、腸内環境の改善とか、腸内フローラという言葉が当たり前のように使われています。


これらを念頭に置いて、毎日ヨーグルトを食べている方が大半だと思います。


しかし残念ながら、ヨーグルトはそのための効果を発揮することができません。


ヨーグルトを造る乳酸菌は、生きたまま腸に届けても、ヒトが生まれたときから腸に住み着いている腸内フローラ(常在菌)によって排除され、腸内に定着・発育させてもらえないのです。


ヒトの健康を決定するのは、乳酸菌そのものというよりも、乳酸菌が発育するときに菌が代謝し放出する物質であることは学術的にも常識となっています。


つまり、みなさまには初耳であったかもしれませんが、健康的な効果は期待できないのです。





spendmoney一日100円のヨーグルト、一ヶ月で3,000円……嗜好品として買っているのであればいざ知らず、健康のためと思って一年間毎日食べ続ければ36,000円になります。


100歩譲って申し上げれば、その健康物質はヨーグルトを製造する過程でわずかに出て来るものではあります。


そもそも、ヨーグルトの製造時間は3~5時間、菌の種類も1~2種類と、恵まれた細菌培養環境とはいえませんが、わずかながらであってもその健康物質を腸内フローラは受け入れてくれます。


ヨーグルトを飲むと調子が良いと体感されている方は、その微々たる物質の影響を感じておられるのでしょう。


このあたりのことは、昨年のNHKスぺシャル「腸内フローラ」取材班の著書「腸内フローラ10の真実」のコラムでも、「菌は腸には住み着かない」(205ページ)と結論付け述べられていました。


問題は、住み着かない限り健康物質は出来ない、ということなのです。





私も長い年月、乳酸菌とお付き合いさせていただきましたから乳酸菌とは一心同体の人生だったと思っております。


本稿は、その立場から申し上げたつもりです。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第40回 平成27年10月30日

presidentblog
第40回 “物理的腸内フローラ考察の総括“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”


(40)2015年10月30日
“物理的腸内フローラ考察の総括”
前回本欄では、大腸における腸内フローラと、乳酸菌生産物質を得るための体外の発酵タンクにおけるフローラを、物理的観点から考察しました。その結果、発酵の作用としては極めて類似していることを明らかにできた、と思っております。


ただし、両者には異なるところもあるのです。


それは、腸内フローラには善玉菌のほかに、悪玉菌と日和見菌が存在することです。そして正常な発酵状態では善玉菌がコントロールしているのですが、異状状態ですと悪玉菌のコントロールするところとなります。


言い換えれば、発酵ではなく腐敗となってしまいます。したがって、私たちは常に善玉菌をコントロールできるよう腸内環境に気を配ることが必要となります。


それは、ヒトの健康を決定する代謝産物を常に産生しなければ、ヒトの健康が保てないからです。


healthsubstance一方、体外のフローラ発酵タンクは、腸内フローラの善玉菌グループ由来の善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)だけで発酵させますから、そこから得られる代謝産物はヒトの健康を決定付ける物質ばかりとなります。



有識者の方の中には、体外タンクで善玉菌を発酵することなど出来るはずがない、というお考えの方がいらっしゃいますが、そもそも私たちの所有している善玉菌に同じものは存在し得ませんし、まったく同一の菌株である必要もないのです。


ただし、体外タンクに使用する菌は数種類の善玉菌が共棲状態でチームを形成している、という条件が必須となります。


その理由は、腸内フローラの善玉菌はやはり、共棲状態でチームを形成して腸壁に張り付いているからです。これには、ちゃんと同一条件下で発酵する必要があるのです。


この体外タンクにおける発酵から得られた代謝産物(健康物質)は、腸内フローラをコントロール出来る能力がありますので、腸内環境が悪くなって悪玉菌優勢になりかけたら、この代謝産物を与えることで善玉菌優勢に変換することが可能となります。


switch総括としては、善玉菌の作り出した健康決定物質は、腸内フローラをコントロールする能力を持っているだけではなく、細胞レベルでヒトの細胞へも働きかけ、身体の劣化を抑制してくれる長寿遺伝子スイッチをONする物質も含有しているということになります。



これはについては今般、弊社と慶応大学先端研(HMT)により得られたメタボローム解析により明らかになった、352種類の代謝産物から解明されていることなのです。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第39回 平成27年10月1日

presidentblog
第39回 “物理的腸内フローラの考察“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”


(38)2015年9月1日
“もの忘れドック検査”


(39)2015年10月1日
“物理的腸内フローラの考察”
ヒトの腸内フローラは、大腸にて形成されていますが、これを物理的に観ると腸内にある発酵タンクで作られていることになります……。


microscopy長年、乳酸菌に係る技術を、試験管レベルから大型発酵タンクに至るまで携わってきた者として、今回は、腸内フローラを物理的観点から考察してみることにいたします。と申しますのは、私の知る限り、大腸を発酵タンクと見なし物理的に鑑察してきた学識者がいらっしゃらないと思ったからです。


実はこの観点に立ってみると、腸内フローラを形成させ、そこから代謝産物を産出させる仕組みは、とても理に適っているのです。





腸内にある発酵タンクは、ヒトの一生に渡り連続して休むことなく稼働しなければなりません。それも厳しい条件下での稼働となります。


その条件とはまず、もちろんヒトの体内に収納出来る形状であること、またその位置は体の中でも静かな動きをするところであること、さらにある程度大きい直径の管状の連続培養システムにて入り口から排出口までの所要時間がコントロール可能なこと、が挙げられます。


そして、タンク内の内容物は、酸性でPHも低く善玉菌の発酵のため無酸素であることが求められます。


次に発酵に不可欠なのが、マザースターター(元菌)です。発酵はこれ無しに始まりません。


小腸から流れてきた栄養物をエサにして、まず、マザースターターが増殖をします。それはさらにバルクスターターに増殖していき、最終的に本培養(発酵)となるのです。





このスターターですが、体の外の発酵タンクの場合、共棲培養された乳酸菌のチーム群が用意され、栄養物(豆乳)と同時にタンクに入れられますが、体の中=腸内タンクにおけるマザースターターはどうするのでしょう……。


これは、腸の入り口で必ず添加しなければならないものです。しかも、ヒトの寿命と健康を左右する源となる大変重要なものですから、一生に渡り、一定の条件を満たしたものでなければなりません。


実は、これが腸内フローラの正体なのです。


intestinal wallヒトが生まれるとすぐ、腸内に入ってきた善玉菌は腸壁と共生状態になります。そのとき、菌と菌も共棲状態になってチームを作ります。そして腸壁に隙間なく分布して、各グループはその人間の一生に渡り健康を守ることになるのです。



<腸内フローラ=お花畑>と比喩されるのは、そのためであって、けして腸内タンクの中で大量に発酵している物質の状態を指した言葉ではない、と認識を新たにしていただきたく思います。





こうして物理的に観ていくと、腸内フローラとその発酵物のメカニズムがわかってまいります。体外の発酵タンクを正常に作動させるためのノウハウは、大腸内の発酵タンクのノウハウと共有できるものがあります。


ただし、体外タンクは人為的にコントロール可能ですが、体内タンクにおける菌のエサとなる食物、生活習慣、腸内環境、ストレス、加齢による劣化等々については、正常な状態を保持する必要があります。


その際、健康長寿のためには、どうしてもそれらを補佐する総合的な物質が不可欠になってくるのです。


劣化していく臓器をなるべく長持ちさせようとするならば、食物や単機能のサプリメントでは不可能であると思います。


劣化を食い止めることを補佐する物質(乳酸菌生産物質)の必要性は、今後徐々に認められていくと私には思えるのです。


長年における研究一筋の人生の成果なのでしょうか、このように物理的な目で観てみると、あるべき腸内フローラの姿がほんのりと目に浮かんでまいります。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第37回 平成27年8月3日

presidentblog
第37回 “腸内フローラとクオラムセンシング“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”


(37)2015年8月3日
“腸内フローラとクオラムセンシング”
quorumsensing私たち人間が、言葉を用いて他人とコミュニケーションをとりながら生活しているように、腸内フローラを形成している細菌たちも常にコミュニケーションをとりながら生命活動を営んでいます。


ヒトと違って目も口も耳も鼻も無い細菌は、増殖する際に栄養物を摂りながら体外へ代謝産物を放出して、これでコミュニケーションをとっています。


腸内細菌にとって腸内という環境は生存競争の非常に激しい場ですが、それは100兆個以上もの細菌が腸内フローラを形成して高密度に生息しているからです。


ここで注目されるのが、腸内フローラを正常に保つための遺伝子の働きのひとつ、すなわち「クオラムセンシング」です。


細菌が増殖して菌数が多くなり、ある一定の数に到達すると特定の遺伝子が発現します。そして腸管内にいる細菌とコミュニケーションをとって、腸管に定着させるのです。


これを学術的にはクオラムセンシングと申しております。


ここで、たまたま入って来た悪玉菌がクオラムセンシングを行い遺伝子が発現すると、病原因子や毒素など攻撃的なものが産生されてしまいますが、このような場合もいち早く腸内フローラからの遺伝子で制御されます。


この制御された代表的なものが、私たちがよく知るペニシリンです。


このようにして、正常で美しい腸内フローラは一生に渡り、ヒトの健康を決定づけるチカラを維持しているのですから、素晴らしいことだと思います。


健康長寿のためには自分の腸内フローラが正常に活動できるよう、食生活やストレスには気を配る必要があることはもちろんですが、病気や加齢などで腸内フローラがノーマルな状態でなくなったときには、外部から強力な補佐をする乳酸菌生産物質の出番となります。


加齢による腸の劣化は、食物で修正することは難しいので、常に体外からの乳酸菌生産物質によるメンテナンスを続けることが望ましいと思います。


majorityruleクオラムセンシングの語源は、英国の議会における「定足数」(議決に必要な定数)から成っていますが、細菌が一定数以上となって初めて特定物質が産生されることを、政治的な合議決定になぞらえて呼ばれているのです。



あたかも、現在の国会にて日本の将来を左右する法案が審議されています。国民としてノーマルなフローラになってもらいたいと願うばかりの今日この頃です。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第36回 平成27年7月16日

presidentblog
第36回 “ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”


(36)2015年7月16日
“ラジオ放送「ジャム・ザ・ワールド」”
radio去る6月19日、六本木ヒルズにスタジオのあるFM局より「腸内フローラについてお話しをしてほしい」との依頼がありました。


しかもその翌日に収録、一日置いた月曜から金曜までで毎日オンエアするとのこと。


なんでも、曜日毎に知名度の高いパーソナリティーがおり、聴取率も高い番組なんだそう……。そうと聞けば、私達の持ちうる腸内フローラと健康に関する情報をお話しする良い機会と思い、出演を決めました。


一般の方に分かり易い内容を心掛けつつも、50年間研究してきた者としての立場で解説をしてまいりました。


ところがです。オンエアを聴いてみると、私が一番に主張したいと思っていたポイントがカットされて放送されていました。また、最終日のパーソナリティーの方のコメントも、私のお伝えしたいことと違う結論を出しておられました。


もちろんメディアにもいろいろとご事情があるのと、私の説明不足によるものとも思いますが、世の中にこちらがお伝えしたいと思う情報を伝達する難しさを痛切に感じた次第です。


そのカットされた部分を、せめてこのブログをご覧いただいている方々にはお知らせしたいと思います。


まず、「ヨーグルト等に含まれる乳酸菌を生きて腸まで届けることが大事」との説明が巷間伝わっていますが、腸に届いた乳酸菌は、その後どうなるの?ということについてです。


aborigines生きて腸に届いた乳酸菌は、残念ながら定着することなく排出されてしまいます。その理由は、ヒトの大腸には生まれたときから所有している常在菌(光岡先生いわく“先住民族”)がフローラ状態になって生息しているため、外来の菌は善玉菌であろうと排除され住み着くことが出来ないから、です。そしてせっかくの菌も住み着いて増殖しなければそのときに代謝されるはずの物質も作られないままに排泄されてしまいます。


この代謝されるはずの物質こそが、ヒトの健康に大切な物質なのです。


また、最近「○○と戦う乳酸菌」という食品も出ていますが、腸内フローラには100兆個以上の細菌がいるわけで、そこへ10万分の1くらいの量の菌を入れたところで相手にはならない、ともいえます。


光岡先生は著書の中で、ヨーグルトに含まれる有用菌をあてにするなら「バケツ一杯のヨーグルトを飲む必要がある」と書かれています。ヨーグルトを否定する訳ではありませんが、腸内フローラを美しくするためとはいえ、到底難しい行為だといえます(学術的にも常識となっています)。


そして、NHKスペシャルでも報道された「腸内フローラが作り出す物質が人の健康を決定する」ということを補足する意味で、以下のことについてもお話をさせていただきました。


「私は50年間、体の外で、ヒトの腸内フローラに限りなく近い善玉菌のフローラを再現する研究をしてきました。フローラの作り出すその物質を皆様に愛用していただいております」しかし、残念ながらこの言葉もカットされてしまいました。


とはいえ、今回のラジオ出演は残念なことばかりでもありませんでした。今回の経験があったからこそ、世の中のより多くの方々に「乳酸菌生産物質」について知っていただき、そして健康長寿を全うしていただくために努めること、それが私の天職であると改めて思うことができました。そして、自分の命の続く限り積極的に行動しよう、と心に誓うことができる良いきっかけになったと思っております。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第35回 平成27年6月16日

presidentblog
第35回 “ジェネリック医薬品“
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”


(35)2015年6月16日
“ジェネリック医薬品”
generics病院で処方箋をもらい近くの調剤薬局で薬を購入する際、薬剤師の方から「このお薬はジェネリック医薬品の指定がありますので、ジェネリックにしませんか?」と相談されたことが、みなさまにもあると思います。



確かに薬の代金は安くなりますし、国も医療費を削減するための政策としてジェネリックの使用を促しておりますが、欧米各国のようなジェネリック先進国と比較すると日本国内での普及はまだまだのようです。


最近の報道によると、政府は後発医薬品を処方する病院や薬局に対し診療報酬や調剤報酬を加算する制度を導入しているようで、製薬会社も生産の増強を計画しております。


しかしこの制度に医師は積極的ではなく、ジェネリックにしてみても、やはり前の薬の方が良かったというお話を耳にすることもあります。どうしてでしょうか?


ジェネリック医薬品が安価になったのは、創薬に関する特許の期限が切れたため特許料が含まれていないからです。


特許には物質特許(有効成分に関するもの)、製法特許、医薬特許、製剤特許がありますが、物質特許が切れていても製法特許や製造特許は切れていないケースや、または製造工程の細部まで公開されているとは限らない場合もあります。


そこには先発した創薬会社のノウハウがあるわけで、絶対に必要なノウハウほど公開されません。まさに薬の命といえるものがそこにあるからだと思うのです。


secret formula光英科学研究所にも、そのような命となり得る製法のノウハウがあります。他に世界中のどこにも存在しない秘法、それが共棲培養です。


まず、腸内フローラ由来のビフィズス菌、乳酸菌を2~4種類のチームにして共棲状態にします。このチームは、個々の菌がその勢力を保有してバランスを保っています。何度新しい培地に移植しても、この関係は何年に渡り変化しません。


しかし、このようなチームを作り上げるには、長い年月をかけて多くの菌種の中から菌を選定する必要があるのです。


この特殊培養に関する技術を他社は持ち合わせておりません。細菌学の常識として、多種の菌を一緒に培養すると最後には一種類になってしまうという教えがあるからです。したがって、共棲培養と称して製造しておられる会社も、このチームを作りあげていない限り本当の共棲培養とはいえないのです。


この本来の意味での共棲培養によって、菌同志の協力体制が安定して出来上がり、多くの代謝産物を作り得るのです。


それだけではありません。


その乳酸菌のチームを50組以上作りあげ、その中からチーム同士の混成を行い、集大成としての共棲培養を行うのです。


その結果、菌種としては16種、株数としては35株となったのです。はじめから16種の菌を混同したのではありません。あくまでも結果なのです(財団法人日本食品分析センターの同定、群集構造解析にても、DNAレベルで解明されています)。


ここで、私は、私たちの腸内フローラも同様ではないかと推測します。


腸壁と共生し、自分たちは強固なチームを作って共棲し、フローラを形成しているから、一生にかけて変化せずに私たちの健康に役立つ物質を作り続けられる、日和見菌をコントロールして悪玉菌を制御出来ている、と思うのです。


したがって複合乳酸菌生産物質も、同類であるがために、腸内フローラをコントロールするとともに、直接体内に吸収する健康を決定づける物質でもあると確信しております。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第34回 平成27年5月18日

presidentblog
第34回 “腸内フローラと大腸がんについて”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”


(34)2015年5月18日
“腸内フローラと大腸がんについて”
先日来何度か目にしたテレビ報道に、著名な俳優の方が大腸がんに侵されており既にステージ4で手術不可能な状態にあるというニュースがありました。常日頃、体には注意されていたとのことですが、お気の毒でなりません。


大腸がんの罹患率は癌の中でも高い値で、しかも肺がんとともに上昇傾向にあるようです。そこで私になりに大腸がんについて考えてみました。


tank大腸はヒトの健康・生命を決定付ける臓器です。細菌学的に見ると、人の寿命を左右する“連続培養タンク”と言っても過言ではありません。私たちが生きていくために必要な細胞レベルの物質はここで作られています。



このタンクは常に腸内フローラのコントロールによって、善玉菌優勢の状態で作動している必要があります。連なって動いておりますので大腸は、小腸からの栄養物の残り物にて発酵を開始します。


そして、発酵の元となる善玉菌は、私たちが生まれたときから腸に常在している腸内フローラのチームです。


培養が安定するための要はこのチームの結び付きが強固かどうかに関わっており、強固なチームゆえに常に定まった発酵物が流れ、多様な役目を果たし、定まった時間に排泄されていきます。この発酵メカニズムが大変重要なのです。


そこで、最近取り沙汰されている注目の物質が、難消化デキストリンです。デキストリンの役目は、腸内細菌が分解して作ったたんぱく質をビフィズス菌のえさにすること、さらに、腸内培養物の粘度を調整して発酵が順調に進むようにすることです。このため、サプリメントなどでも便通を良くする目的に利用されています。


理想的な便の形として、一般にバナナ状の排便が最良とされていますが、実際に大腸は、小腸よりもかなり太い環状になっているため、バナナ状となると、めいっぱいの発酵物が大腸の中に存在していなければなりません。


それには物理的に繊維状のものが必要です。繊維状ならば、小さな気泡が混在してスポンジ状になることで、大腸内を容易に移動できるとともに腸内細菌の代謝液も行き渡ります。


vegetable繊維質は、野菜を口で噛み砕いた大きさが最適です。決して多量の野菜が必要というわけでなく、スーパー・コンビニで手に入る1パック2~300円程度の量で充分です。


栄養学的に満足できない方は、「これ1本で1日分の野菜が摂れるジュース」等を飲みたい人は飲めば良いと思いますが、ジュースでは大腸の発酵物の物理的調整はできません。


先にバナナ状と申しましたが、太さは直径2.5~3cmは欲しいところです。そして多数の気泡のある便が望ましく、水に浮く浮かないは関係ありません。


私は排便の後は、先日・先々日食べたものを思い出すとともに、形状も必ず確認しています。特に便の太さは、発酵状況を示しますので注目しています。


近年の大腸がん増加は、食の欧米化によるものであることは間違いありませんが、そう簡単に昔の食生活に戻れるものでもありません。まず1日一度は、野菜を口で噛み砕いて飲み込むことをお勧めします。


50歳を過ぎると、腸内フローラからの発酵コントロール物質も減少してきます。それを補充する乳酸菌生産物質を飲みつつ、健康食品やサプリメントの代わりにもっと野菜を食べることに意識的になりましょう。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第33回 平成27年4月17日

presidentblog
第33回 “「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”


(33)2015年4月17日
“「腸内フローラ」と「バイオジェニックス論」”
gut-flora2月22日に放映されたNHKスペシャル「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」の放送以来、いくつかの著名な週刊誌の紙面で「腸内フローラ」の記事が掲載されています。


それらを拝見してみますと、腸内フローラについて解説がされているものの、残念なことに焦点が外れていってしまっているものも多いように思います。


今回のNHKスペシャルでは、「腸内細菌が作りだしている『物質』が大事である」ということが重要なポイントとして紹介されていました。しかし、週刊誌の記事を見ますと(全部ではありませんが)、単に腸内細菌の存在と役割の説明がしてあるだけで、ちょっと勿体ないように私は感じました。もっと記事の広がりがほしいところです。


とはいえ、「腸内細菌が作り出している物質」については、まだ学術レベルで研究段階のものも多く、一般の方々に浸透していないのが実情のようにも思います。


dr.mitsuoka以前より当社のホームページにてご紹介しておりますが、腸内フローラ研究の第一人者である東京大学名誉教授の光岡知足先生のバイオジェニックス論こそ、腸内フローラ、そして腸内細菌の作り出している物質について、正に的中して論じられているものであると思います。当社の乳酸菌生産物質も、光岡先生のバイオジェニックス論に合致しているものです。


以前、当社の乳酸菌生産物質のメタボローム解析結果(乳酸菌・ビフィズス菌が作り出した物質を網羅して分析したもの)を光岡先生にご覧いただいたところ、有用な物質が多く検出された事実について「これで私のバイオジェニックス論が証明された」と喜んでいただき、この結果を学会発表へ繋げるべく、光岡先生みずから、東京大学の教授を務めていらっしゃった伊藤喜久治先生へご協力のご連絡をしていただきました。


残念ながら、「メタボローム解析結果の内容は企業秘密の部分もあるでしょうから」という伊藤先生のアドバイスにより学会発表は実現しませんでしたが、その後、メタボローム解析の結果を基軸として、お茶の水女子大学学長の室伏きみ子教授により発見された抗ストレス物質「ステリルグルコシド」の存在が判明し、経産省のサポイン事業に採択され、お茶の水女子大学との共同研究へと進むことができました。


dr.kaminogawaまた、ある方を通じて、腸管免疫研究の第一人者である日本大学教授・上野川修一先生にも解析結果をご覧いただき、「大変重要なデータであるから、研究はさらに続けられると良いですね」というお言葉をいただく事ができました。



当社のメタボローム解析結果は「細胞」「MSD」の医学医術誌にも掲載されています。これらの物質こそ、腸内細菌の作り出している物質が有用であることの動かぬ証拠(エビデンス)です。ぜひお手にとってご覧いただきたいと思います。


心ひそかに、先般のNHKスペシャル「腸内フローラ」の続編が予定されているのであれば、ぜひとも乳酸菌生産物質のメタボローム解析についての解説を番組に取り入れていただきたいと思っております。


そしてもっと多くの方に、腸内細菌の作り出す物質について知っていただきたいと、期待している今日この頃です。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第32回 平成27年2月23日

presidentblog
第32回 “NHKスペシャル・腸内フローラ”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”


(30)2015年1月26日
“おせち料理”


(31)2015年2月17日
“節分の思い出”


(32)2015年2月23日
“NHKスペシャル・腸内フローラ”
nhk2月22日に、NHKスペシャル「腸内フローラ・解明!驚異の細菌パワー」という番組が放送されました。


人間の大腸には腸内細菌が花畑のように分布しており、その腸内細菌が出す物質が私たちの全身の健康を決めているとの事で、遺伝子の解析技術により5年くらい前からその知られざるパワーが明らかになったという内容でした。


この番組で特筆すべき点は「腸内細菌が作る物質」にフォーカスしている事です。腸内細菌が作る物質が、糖尿病やガンの予防、肌のハリやしわの改善に関与するだけでなく、腸管神経系に作用し脳のはたらきに影響して性格にも影響を与えるという事について、動物実験の例を挙げながら紹介されました。


当社・光英科学研究所では、細菌の作る物質(代謝産物)について60年前から着目し、45年前から腸内フローラに代表される乳酸菌の共棲培養法の研究を続け、20年前より、16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌群を発酵させて得られる「物質」をエキスとして、販売を開始しております。


また、腸内フローラ研究の第一人者である東京大学・光岡知足名誉教授は、以前より腸内細菌が作る物質が重要であるという「バイオジェニックス論」を提唱しておられますが、光岡先生に、当社の乳酸菌生産物質を遺伝子分析(メタボローム)したデータをご覧いただいたところ大変高い評価をしていただく事ができました。


NHKスペシャルは「腸内フローラは私たちの体のパートナーとして大切にしなければならない」と締めくくられました。


皆様におかれましても、あらためて、乳酸菌生産物質(腸内細菌が作る物質)がいかに健康に対して重要かということを知るきっかけになったのではないか、と拝察します。





「腸内フローラ」解明!驚異の細菌パワー(NHK総合)
本放送2015年2月22日(日)午後9時00分~9時49分
再放送2015年2月26日(木)午前0時40分~1時29分(25日深夜)


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第29回 平成26年12月26日

presidentblog
第29回 “フレンドリーコミュニケーション”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”


(26)2014年7月22日
“食物繊維”


(27)2014年9月9日
“発酵と中村吉右衛門”


(28)2014年10月30日
“「噛むこと」そして「菌活」”


(29)2014年12月26日
“フレンドリーコミュニケーション”
bb1226_02平成26年最後のブログとなりました。今年お読みいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。


さて、今回のキーワードは、コミュニケーションです。それも「フレンドリーコミュニケーション」です。「フレンドリーコミュニケーション」があってこそ、物事が良い方向に進みます。人と人、家族、国家、世界。そして、人の健康もそうです。


先日、私の長年の友人である神戸の薬剤師の方と、電話でお話をしました。御年80歳になられますが、今も現役でショッピングストアの薬局に勤めています。お休みの日に自宅にいると、彼を目当てに店に来た高齢のお客様から「今日はあの人はいないのですか?」と残念がられるそうです。いらっしゃったお客様は、この薬剤師さんとお話をして「フレンドリーコミュニケーション」を取ることで、健康と安心感を得ていらっしゃるのでしょう。素晴らしいことです。


さて、この薬剤師さんは若い時に胸の病気をされ、長生きできないだろうと言われていたそうです。


「80歳になって元気で仕事ができるのは、乳酸菌生産物質を継続して飲んでいるおかげと、つくづく思うのです。身体から離すことができないですね。もう、とっくに死んでいてもいい命なのですから、乳酸菌生産物質と共に大事に生きていきたいと思います」


電話からの声に、私は胸から込み上げる感動を覚えました。長い年月、乳酸菌生産物質の開発に携わってきて良かったと思う一瞬です。


この喜びも、「フレンドリーコミュニケーション」の賜物と考えます。


さて、ここでわが社の乳酸菌生産物質も菌と菌が織りなす「フレンドリーコミュニケーション」で成り立っていることを皆様へお伝えしたいと思いました。


そこであらためて、当社の乳酸菌生産物質についてご説明させていただきたいと思います。少々長くなりますが、最後までお読みいただければ幸いです。


bb1226_01ヒトの腸内では、生まれたときからその人に住み着いている腸内菌により、多くのグループが形成されています。まるでお花畑のように群れをつくり(腸内フローラといいます)、互いにコミュニケーションをとりながら、分布しています。


そしてグループ同士で腸内環境を正常に保つために、バランスをコントロールしています。それら腸内菌の中でも、乳酸菌を代表とする善玉菌が作り出す代謝産物が、ヒトの健康を支えているのです。


しかし、腸内環境が悪化したり、加齢により劣化すると善玉菌の代謝産物を得にくくなります。それを補足するためには、善玉菌の代謝物と同様の物質を体内に取り込む必要があります。そこで開発されたのが「乳酸菌生産物質」です。


開発において、一種類の乳酸菌で「乳酸菌生産物質」を得ようと試みても、代謝物質の種類や量が圧倒的に足りない。そこで、ヒトの腸内フローラの構成にならった乳酸菌のグループを作り、代謝産物を得ることになりました。


それはまさに、菌と菌が「フレンドリーコミュニケーション」できるように、菌種を選ぶ作業でした。長い年月と根気強さが求められました。その結果、二種から四種類でグループ化した40組以上が得られました。


しかし、実際の腸内では幾つものグループがコミュニケーションを取っています。従ってグループとグループがフレンドリーコミュニケーションを取れるように、さらにグループ群を組み上げる必要があったのです。これにも長い年月がかかりました。


最終的に、研究室で安定してグループ化させるために必要な菌種が16種にしぼられました。このグループで作り出されたのが「乳酸菌生産物質」です。


乳酸菌生産物質に含まれる成分はメタボローム解析により現在352種類あることがわかっていますが、まだ判明していないものもあると思っています。菌同士の「フレンドリーコミュニケーション」で得られる代謝産物は、さまざまな成分が複合しています。だからこそ体の細胞レベルに働きかけ、ヒトの健康を支えているのだと私は思います。


安倍総理の政策により、食品の新たな機能性表示制度が実施される方向になりましたが、機能性食品の単一成分に着目した内容となりそうで、残念ながら複合成分を有するものの扱いに進展するのは難しそうです。乳酸菌生産物質のような複合成分による、体への「フレンドリーなコミュニケーション」が健康に大事なものと私は思うのですが・・・。


それでは皆様よいお年をお迎えください。来年も何卒ご継読のほどお願い申し上げます。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第25回 平成26年5月19日

presidentblog
第25回 “腸内細菌学会”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”


(25)2014年5月19日
“腸内細菌学会”
bb0519_01.gif来る平成26年6月11日(水)12日(木)に、第18回の腸内細菌学会が東京大学・伊藤国際学術研究センター(文部省支援)にて行なわれます。


弊社は協賛会員であるため、日本ビフィズス菌センター事務局より、前もって学会発表内容が送付されてまいりました。国内シンポジウムや一般演題を拝見してみますと、腸内代謝産物についてのものが4件、インフルエンザに関するものが2件、プロバイオティクスのものが7件あります。


腸内代謝産物の試験はすべてマウスによるものですが、それでも生体の腸内にて作られる代謝産物の機能性と解析は重要と考えます。腸内細菌の研究の方向性として、菌の代謝物が注目されてきていることに、私は大きな期待を寄せています。腸内細菌の状態を良好に維持するために、その代謝物が大きく影響している知見も出される模様です。


ここでヒトの腸内に置き換えてみましょう。ヒトの長い人生において健康を維持しようとすれば、腸内は正常なバランスで推移することが大事です。そして常に腸内にある100兆個500種類以上の細菌の統率をするために、コントロールを行っているのが代謝産物(乳酸菌生産物質)である、ということです。


bb0519_02.gif発表内容は今のところ「腸内の現況を解析した」という状況を伝えているようですが、ぜひとも私たちの健康のために、ヒトの腸内バランスを正常に維持するためのものを発案する必要があると考えました。そうすることで、日本社会の健康長寿に寄与することができるのではないかと、私は考えております。




弊社では先代の所長の時代から乳酸菌の代謝物に着目して、共棲状態の乳酸菌の研究を行ってまいりました。この共棲菌を発育、増殖させて得られる代謝物の機能が重要です。生きた乳酸菌を食品として取り入れる方法に注目がされていますが、しかしヒトの腸内ではその人の生まれた時から共生状態にて住み着いている腸内常在菌がいて、生きた菌を食べたり飲んだりしても、なかなか発育、定着しづらいと言われています。


私たちはそこで、乳酸菌代謝物を体の外の工場にて生産することを考え、試行錯誤の結果、多種多様の代謝物質(乳酸菌生産物質)を得ることができるようになりました。この乳酸菌生産物質なら、私たちの腸に定住する乳酸菌に何の抵抗もなく受け入れてもらえます。病気や加齢により十分に得られなくなっている自前の代謝物の代わりをしてくれるのです。


先代の所長時代には、メタボローム分析等はありませんでしたので、すべて経験則と感による開発でした。現在は慶応大学先端件HMTによる、メタボローム解析とマススペクトル分析により34のペプチドを含む、レスベラトロールなどの水溶性、脂溶性を合わせた352種類の乳酸菌発酵代謝物(乳酸菌生産物質)を特定することができております。


今後は、食品のみならず、薬学の分野にても腸内細菌学の分野を解明していく時代がやってくると考えます。長年の夢が叶うときが目の前に広がっていると、心をときめかせています。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第24回 平成26年4月14日

presidentblog
第24回 “メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”


(24)2014年4月14日
“メタボローム解析(代謝物解析)と腸管免疫”
今回は、前回のメタボローム解析の続きとして、最近一般的な用語となりました「腸管免疫」と「腸内細菌」の関連について、私の考えをお話しさせていただきます。


ヒトの腸内には腸内細菌といわれる細菌が多く生息し、その細菌叢は「腸内フローラ」と呼ばれています。そして腸内フローラの善玉菌・悪玉菌のバランスが健康を支えているということは、先にもお伝えした通りです。


bb0414_02.gifそのヒトの健康とは切り離せない「腸内フローラ」研究の歴史でございますが、1953年に越智勇一教授指導のもと東大農学部獣医学科で始められ、1958年には理化学研究所に移り、光岡知足先生が理化学研究所の研究員と企業の合同研究チームを編成して研究を推進され、12回にわたる「理研腸内フローラシンポジウム」が開催されました。



残念ながら1991年(平成3年)をもってプロジェクトは終了となり、その後はそれぞれ個々の企業にて研究する方向性になったようでございます。私は今でも「理研腸内フローラシンポジウム」の内容を収録した本を、シリーズで愛読しております。しかし、このプロジェクトの終了は今考えても残念でなりません。この本を読む限り、日本における腸内フローラの研究は、世界のトップクラスを走っていたと感じるからです。


そして近年になり、ヒトの免疫の仕組みが解明されていくに従って「腸管免疫」という言葉が注目されるようになりました。ヒトの免疫の大部分が腸にあって、腸内フローラが関与していることが次々と発表されておりますが、そもそも腸内フローラ、腸内細菌の存在があってこその腸管免疫だと思います。腸管免疫の大事さを更に多くの人に広めるためにも、まずは腸内フローラの研究が極められることが大事なのではないかと考える、今日この頃です。


科学は日々進歩を遂げています。腸内細菌も100種100兆個とされていたのが、分子生物学的手法「16sリボソームRNA系統解析」(RNAの塩基配列による分析)などを用いることで、分離培養が困難な菌種も同定できるようになり、今や腸内細菌は500種以上100兆個であることがわかってきております。


もちろんこのような分析手法は素晴らしいのですが、菌を単離培養して性状を確かめることも忘れてはならないと思います。ひとつ一つの菌の性格を知り、菌と向き合うことの大事さを、私も乳酸菌生産物質の製造を行う中で、実感してきました。


さて最近はTV番組でも「腸」に関する話題が多くなってきたように思います。数年前ですが、NHKの「ためしてガッテン」にて、「腸内環境の良くなる食物」として、納豆、キムチ、漬物、昔からあるヨーグルト、プロバイオティクス菌使用のヨーグルト、を二週間、ボランティアの人達に食べてもらって、その成果を検証する番組があったかと記憶しています。


たしか一番成果が現れなかったのがプロバイオティクス菌のヨーグルト。その理由については番組では深く触れられていなかったようですが、私はその結果に「ガッテン」がいきました。それは乳酸菌そのものではなく、乳酸菌の代謝物がカギだからです。


bb0414_01.gif私は、腸管免疫を含め、ヒトの健康には腸内細菌の代謝物が深くかかわっているという事を、多くの人に知っていただきたいと考えて、乳酸菌生産物質のメタボローム解析を行いました。


そして現在、乳酸菌生産物質の機能性について薬学系の大学と共同研究を行い、論文、学会発表も予定しております。待ったなしの老齢化社会の健康長寿。一筋の光を灯すことができれば幸いです。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第23回 平成26年3月17日

presidentblog
第23回 “メタボローム解析について”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”


(19)2013年11月25日
“大谷光瑞師の墓碑”


(20)2013年12月24日
“乳酸菌生産物質白書”


(21)2014年1月22日
“紺屋の白袴(こうやのしろばかま)”


(22)2014年2月3日
“第3の万能細胞”


(23)2014年3月17日
“メタボローム解析について”
bb0317_01.gif今回は弊社の乳酸菌生産物質をメタボローム解析した動機について、お話しいたします。


近年、遺伝子の学問が発達したことによりメタゲノム解析が可能となり、土壌や河川などの環境中に存在する多種多様な微生物について、分離培養しなくてもその全容が分かるようになりました。人為的な培養が難しい微生物も、この方法により解明ができるようになっております。


私たちの腸内に棲みついている細菌にも、分離培養が困難なものが多く存在します。遺伝子技術の発展により、これまで存在が判明しなかった菌が検出可能になり、それまでは腸内には100種以上の細菌が棲みついている、と言われてきたものが「500種以上」もいるということが分かってきたのです。分離培養が出来ない菌が80%もいた、ということになります。


それら培養の難しい菌も含め、私たちの腸内では多種の菌が棲みついて共棲状態(腸内フローラ)を維持し、その代謝物によって菌同士が情報を伝達していると言われています。つまり腸内菌バランスを良好に保つには、腸内菌の代謝物の役割が大きいと私は考えております。


光岡知足先生腸内細菌学の第一人者である東京大学名誉教授・光岡知足先生の著書「腸内菌の世界」は、腸内菌を培養に培養を重ねて研究した論説から成り立っています。


そこでは、腸内フローラの形成が、一生に渡り私たちの健康を司っているという事実が示されています。


さて、弊社の乳酸菌生産物質は、限りなくヒトの腸内フローラに近い共棲状態を保った菌群から作り出されています。従って、そこから得られる代謝物を詳細に解明することが、乳酸菌生産物質のエビデンス構築の第一歩だと私は考え、メタボローム解析(代謝物を網羅的に解析すること)を行うことで、その物質名と機能性を把握しようと決意いたしました。


そうすれば腸内フローラに与える影響、メタゲノムの世界にて人体に直接与える影響も分かり、代謝物の有用性が具体的に判明する一助になると考えたからです。


私はこの解析を、世界3施設の中から日本のHMT社(ヒューマンメタボロームテクノロジー社)に依頼いたしました。そして解析の結果、弊社の乳酸菌生産物質は、34のペプチドを含むレスベラトロールなどの水溶性脂溶性を合わせた352種類の物質で構成されていることが判明しました。


結果を光岡先生にお届けして大変喜んでいただいたのは前回申し上げましたが、その後も、薬学系の大学の教授陣に結果をお見せすると、そこに特定されている物質をご覧になって関心を持たれ、分析過程に大変な興味があるからローデータを見せてほしい、というご要望もありました。そしてこれらの物質は企業にとって重大な企業秘密とも言えるので無闇に開示しないほうが良いのでないか、という貴重なご意見もいただきました。そしてメタボローム解析は、今後多くの研究開発分野において必要不可欠なものになるとの事でした。


私はこれからも分析項目を絞り込み、弊社乳酸菌生産物質のメタボローム解析を続けていく所存です。


この結果については、特に薬学系の学識者の方々から興味を持っていただいている為、ここで乳酸菌生産物質の学理的な説明は、高度な薬学系部門から解き明かすという道が見えてまいりました。今後は薬学系の学会での発表や、論文を予定しております。


それをどのように活用するかが大きな課題でございますが、愛用者の皆様には「自分は、長年にわたり光英科学の乳酸菌生産物質を飲んでいる」ということについて、更なる安心感と誇りを持っていただける日は、そんなに遠くはないと私は確信しております。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第18-3回 平成25年9月4日

presidentblog
第18-3回 “純正醍醐論(その3)”
(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”


(18-3)2013年9月4日
“純正醍醐論(その3)”
「乳→酪→生酥→熟酥→醍醐」の考えは乳酸菌生産物質の礎となっています。

bb_0904.jpg熟酥から醍醐に至る時間(発酵中)、菌はそれぞれに代謝物を作り続けると共に、菌同士の相互関係により二次的な代謝物も生成しているのです。これは乳酸菌生産物質の製造過程における「酪」の段階で、共棲状態の菌のチームで発酵をスタートさせているからこそ実現できるものであり、ここが単菌を用いることとの違いであると私は考察しております。


そもそもメチニコフの時代に細菌の単離技術が完成し、菌の単離と純粋培養が可能になったのですから、2500年前の醍醐の時代には、単菌を用いる技術も確立されていないのです。


つまり醍醐の完成は、発酵の容器にバランスよく住み着いた(共棲状態にある)菌の為せる技と考えられます。似た例として、酒蔵では蔵に昔から住み着いている菌群が、酒造時に酒の味を美味しくしているそうです。蔵を建て直したら、酒の味が変わったという話も聞きます。


ヒトの腸内でも、お腹を発酵タンクとして純正醍醐が作られていると言えるのではないでしょうか。なぜなら、腸内菌叢(腸内フローラ)が放出する代謝物が、その人の健康を守っているからです。特有の一種類の菌が働いているという訳では毛頭ありません。


先日の新聞で、「健康食品表示の緩和」という見出しの記事を読みました。政府は健康・医療分野での国際競争力を強化するため規制緩和を打ち出し、健康食品に効果をPRする機能性表示を認める方向で、規制改革会議で議論が重ねられているとのこと。記事は「それだけ食べて健康になる食品はない。規制緩和が国民の期待感だけをあおる結果にならないためにも、リスクに目を向け、信頼できる表示を求めたい」と結ばれていました。私も同感です。何か特有の一つを摂ることだけで健康になるというものは無いと思っております。


醍醐の考えに基づいた乳酸菌生産物質は、多種の成分を含み「総合的に健康を目指す」ものです。もっと多くの方に、それこそ世界中の人々にそれを知っていただくことが、私の使命なのではないかと思う今日この頃です。私の考える純正醍醐論、ご理解いただければ幸いでございます。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第18-2回 平成25年9月3日

presidentblog
第18-2回 “純正醍醐論(その2)”
(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”


(18-2)2013年9月3日
“純正醍醐論(その2)”
それではここで、乳酸菌生産物質が純正醍醐たるためのポイントについて、私の考えをお話させていただきます。


漢文「醍醐」
英語“manda”
サンスクリット語※
bb_0903.gif
※=梵語
(インド・ヨーロッパ語族のインドアーリア語源に属する語)
仏典の中で、乳→酪→生酥→熟酥→醍醐とあり、五味とされています。それぞれの味ということではなく、あくまで醍醐に至る道筋です。


乳酸菌生産物質は、この考えを礎に誕生しました。ここでは乳となっておりますが、現在は乳の代わりに大豆を使っています。酪にあたるのが豆乳です。


乳酸菌生産物質は、豆乳に共棲培養した乳酸菌のグループを植えて培養をスタートします。これが生酥にあたります。発酵が活発になり乳酸菌の増殖がピークに達したのが熟酥、それをさらに長時間発酵させつづけたものが乳酸菌生産物質、醍醐といえます。


この発酵において、一般的に生菌数は約12時間でピークになり、培地の中の酸度が上がり、菌のための栄養源も減少することから、増殖できる環境ではなくなって生菌数は下降線をたどります。しかしそのまま100時間以上発酵を続け、熟成させているという説があります。味噌の熟成と同じという人もいます。


しかしそう簡単には醍醐はできない、と私は考えております。熟酥から醍醐に至るには生酥の段階に重要な要素があると考えているからです。


それは発酵をスタートさせる菌の形態にあります。ヨーグルトなどの発酵食品は単菌を1~3株混合してマザースターター(発酵のために調製した種菌)としていますが、この状態では菌は共生していません。乳酸菌生産物質はマザースターターの段階で、共棲している菌をチームの状態で使っています。


そもそも醍醐は、発酵の容器にすでに共棲状態にあった菌がいて、それが時間をかけて発酵したものだと推察されます。そこでは、まるで腸内に様々な善玉菌が共生しているかのように、菌同士がチームを形成していたはずです。熟酥から醍醐に至るまでの過程で、この要素を見逃してはならないと私は確信を持っています。


なお弊社の場合、発酵中の生菌数は18~24時間を経過しても1グラムあたり5億~100億個を保ち、なおかつ発酵スタート時と発酵完了時の菌の群集構造についてもPCR-DGGE法で一致していることを確認しております(日本食品分析センター調べ)。


これは、発酵中において、マザースターターにあるすべての菌が、醍醐をつくるためにくまなく働いたという結果を示しています。なお、熟酥から醍醐に至る時間(発酵中)、菌はそれぞれに代謝物を作り続けると共に、菌同士の相互関係により二次的な代謝物も生成します。出来上がった乳酸菌生産物質の中に多種の代謝物の存在が存在することが、慶応大先端研HMTによるメタボローム解析により明らかにもなっています。


これらの知見に基づいた私の考察については、その3でお伝えしたいと思います。


< つづく >
bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第18-1回 平成25年9月2日

presidentblog
第18-1回 “純正醍醐論(その1)”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”


(18-1)2013年9月2日
“純正醍醐論(その1)”

乳酸菌生産物質の生みの親である正垣一義氏は、浄土真宗本願寺第22代法主の大谷光瑞(こうずい)師から、「生きた菌ではなく、これからはその代謝物が大事である」という教えを受け、乳酸菌生産物質の開発を手がけました。仏典の中の「醍醐」がその礎となっております。


bb_0902.jpg今回はその「醍醐」についてお話させていただきます。日頃より「大谷光瑞全集」を愛読しております私の論説として、お付き合いいただければ幸いです。題名で「純正醍醐論」としましたのは、私の考える純正醍醐論という事でありまして、なかなか乳酸菌生産物質の礎としての醍醐について詳しく説明されているものがないため、このような題名にさせていただきました。


最近読んだ本の中に、「体にいい食べ物といえば最後に醍醐にいきつくが、しかし現在は存在していない」との事が書かれておりました。


醍醐の解釈には色々とありますが、2500年前に釈迦の時代に存在していた醍醐を再現すべく、大谷光瑞農芸化学研究所にて1945年にはすでに乳酸菌生産物質の前身となるものは作られておりました。


それを踏襲したものが現在の、乳酸菌生産物質です。


さて、醍醐については「大般涅槃経」の中に大涅槃経に至るまでの教典の変遷が述べられていて、その経緯を解説するために、乳、酪、生酥、熟酥、醍醐の5つを持って一切経をわけております。五味相生の譬えといわれています。醍醐にて最上なりとされています。


醍醐について「もし服するものあれば衆病皆除く。あらゆる諸々の薬、皆その中に入る」と記されておりますが、この解釈についてはなかなか難しいようです。


大谷光瑞師は、大谷光瑞全集第3巻の中で「大般涅槃経はピシっと行く所は行かんとならんから余程むつかしい、聴き損うたらいかん」と言われております。しかし醍醐についてピシっと理解している人はなかなかいないでは……、最近の本を読んで、私は感じております。


私考欄第9回「光英科学研究所のルーツと大谷光瑞農芸化学研究所」にもありますが、正垣一義氏は大谷光瑞師との出会いにより、仏典にある純正醍醐を再現することに力を注ぎました。その仕事を継続してさせていただいている者として、一文たりとも省略することなく醍醐について理解したいと思います。この話の続きはその2でお話させていただきます。



< つづく >

bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第17回 平成25年8月9日

presidentblog
第17回 “乳酸菌との対話”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”


(17)2013年8月9日
“乳酸菌との対話”

乳酸菌生産物質を作り出す菌は、継代培養にて保存を行っております。継代培養操作は、菌の生育している試験管から菌を新しい培地に移し変えることで成立します。継代するたびに、作業者は菌と向き合っているのです。


bb0809_01.jpg概略を申しますと、生育した菌を針金の先を丸くした「白金耳」で少量取ります。そしてここが重要なところなのですが、生育菌のコロニー(菌が生育している様)の形、色、臭い、感触を観察し、私はこのときに口にこそ出しませんが、「どんな具合かな?」と菌に語りかけながら作業をすることにしています。菌はその時により「まあまあ良いです」「調子いまいちです」などと答えてくれます。


微生物の操作に携わっている方なら、この気持ちを理解して頂けるかもしれません。相手は生き物です。いつもと同じ作業をしても、反応がいつもと同じとは限らないのです。「そんな馬鹿な」と思う方もいるかもしれませんが、このような例もあります。


バイオ関係の学校で、たくさんの学生が同一の菌をシャーレで培養する実習の際、たまにシャーレに何も生えない学生さんがいるそうです。何回やりなおしても菌が全く生育せず、困ることがあるとか……。


学生と菌の相性なのか?私なら、その学生さんに「菌に話しかけてみてはいかがでしょう」とオススメします。長年の感覚ではありますが、菌も人を見ているような気がします。コミュニケーションは人と人の関係だけではないのかもしれません、人と菌にも必要なのでしょう。心遣いが重要なポイントだと私は思うのです。


しかしこのように申し上げている私も、菌と「対話」が出来るようになるには相当の年月がかかりました。第10回「運転手の私」でも書きましたが、私は正垣所長と車で移動することが多く、その際に技術的なご指導をずいぶん頂きました。その中で「菌との対話」の話が一番心に残っています。


「培養を永年重ねて行くと、菌と対話できるようになる」そして「君なら出来ると思うから、話しておくよ」という正垣所長の言葉に、若き日の私は感激したものです。あれから何十年も経ち、ようやく所長のおっしゃっている意味をかみしめる事ができるようになったと感じております。


以前、産経新聞社から乳酸菌についてインタビューを受けました。記事としては「乳酸菌は子供たち」という題名で紹介されています(2010年7月18日記事、「メディア紹介」参照)。インタビューの中で私は「培養するときには乳酸菌と対話するんです」とお話させていただきました。


bb0809_02.jpg現在、二人の娘が会社の跡継ぎとして働いております。経営は長女が、そして大事な菌の継代培養作業は、次女が担当しております。培養作業は長年私自身が行ってきましたが、自動車の運転でも高齢になるとベテランでも勘が劣ってくるもの。歳には勝てません。数年前から菌の作業を、次女に任せることにしました。


弊社の継代培養は、単菌の純粋培養と違い、チームにて共棲させた菌を扱います。バレーボールや野球やサッカーの監督と同じく、菌のバランスに注意しながら対話しなければなりません。乳酸菌生産物質の愛用者の方々の健康を考えれば、やりがいのある仕事と次女もきっと思ってくれていることでしょう。最近、お客様への継代培養の説明をさせていただいた際に、次女より「やっと菌とお話が出来るようになりました」という言葉が出て、私はホッと胸を撫で下ろしました。


私は次女が作業した試験管を1本1本見ながら、菌との挨拶をしている日々を過ごしています。


< つづく >

bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

第16回 平成25年7月23日

presidentblog
第16回 “私の腸内細菌”
(1)~(14)

(15)2013年7月3日
“同窓会”


(16)2013年7月23日
“私の腸内細菌”

私は助産婦(産婆さん)に取り上げられて生まれ、母乳で育てられました。赤ちゃんの腸内細菌叢(腸内フローラ)の形成には、母親の腸内細菌が関わっていると言われています。また、子供が育つ過程においての「食事」も大きく影響していると言えるでしょう。


第一回の私考欄でも書いていますが、私はアメリカから帰国した伯母に養育されました。働き者の伯母は10代で単身アメリカへ渡り、日本に残した家族の生活を支えるために、お金を貯めました。休み無く働いて昭和14年に帰国しましたが、第二次世界大戦の影響で手持ちのお金のほとんどは没収されてしまいました。


bb0723_01.gifそれでも前向きで明るい伯母に育てられた私は幸運だったかもしれません。伯母は料理に堪能で、戦争中の乏しい食料事情の中、たまにアメリカ仕込みの洋食を工夫して作ってくれました。


見たこともない鶏の内臓を出して色々具材を詰めて丸焼きにしたものを、大きな皿に載せて近所の子供たちに「さあ、食べなさい」と出してくれたものです。この世で初めて見る料理と、その美味しい味にみんな大喜びをしました。当時の日本には存在しなかったハンバーガーも作ってくれました。そのような食事で育った私は、日本人離れしたフローラであるかもしれません。


さて、一度形成された腸内フローラは一生かけて変化しないと言われておりますが、本当にその通りだと、乳酸菌の研究に携わるわが身で実感します。幼いころに栄養のある食事を取ることができたのは幸運でした(しかし、肉食ばかりでは良くありませんので、ほどほどが肝心です)。


bb0723_02.gif例えば風邪をひき、強い抗生物質を処方されると便がゆるくなったり、下痢をします。抗生物質は病原菌を退治する一方で、腸内の善玉菌も殺してしまうといわれます。また、大腸内視鏡検査をするときに、大腸を観察するため下剤をかけて大腸を洗いますが、この時に腸内の善玉菌も悪玉菌も洗いだされてしまうといわれます。



しかし、どんな事をしても常在する腸内フローラは大きく変わらないと感じます。私の場合だけかも知れませんが、風邪が治った後に第一番目に出てくる便は青年時代の立派な姿をして、臭いも懐かしい良い便です。これには驚きます。やはり、ヒトの健康を守ってくれているのは腸内フローラだと、腸内フローラは大切にしなければ罰があたると実感するのです。


腸内フローラは皆様の健康のために、しっかりと軍団を組んで守ってくれています。だから、その軍団が困るような生活習慣を避けなければ、「健康で長生き」は難しいかもしれません。腸内フローラのために何が重要か、今まさに、東大名誉教授光岡先生の提唱されている「バイオジェニックス論」にスポットライトが当たる時だと思います。


< つづく >

bossblogindex.gif
私考欄の目次ページ

乳酸菌の新しいステージ

乳酸菌,原材料