乳製品の歴史

発酵乳およびヨーグルトは大昔から、世界のいたるところで、生活に欠かせない大切な食品として扱われてきました。
こちらでは、そんな世界における乳製品の歴史を簡単に説明いたします。
ぜひ、何千年も前の人々の生活に思いを巡らせてみてください。



articleicon世界のヨーグルトの歴史


数ある発酵乳の一種であるヨーグルトの歴史はとても古く、牧畜が始まった頃まで遡ります。

それは、紀元前5000年頃、東地中海からバルカン半島、中央アジアで、世界で初めて家畜として羊を飼い食用として乳を用い始めた頃のことです。ある日、木桶などに残しておいた羊の乳がいつの間にか発酵して酸味のある飲み物に変わっていた……という偶然の代物が、ヨーグルト誕生のきっかけだと言われています。
その後、この発酵乳は、シルクロードを経由して中央アジアや内陸の遊牧民族に伝えられ、その地方地方の気候風土にあった独特の乳の保存法として製造されていたようです。

中央アジアに存在した世界最古の遊牧民エリアン人は、馬や羊の乳を発酵させたアルコール性の飲み物を飲んでいたといわれています。また、紀元前2000年頃、メソポタミアにバビロン文化を築きあげたアムル人は、家畜の乳で作った発酵乳を食料や薬として飲用していたそうです。

さらに13世紀頃のモンゴル人は、戦場に赴く際に「クミス」という馬の乳を発酵させたものを、必ず軍旗にふりかけ必勝祈願をしていたようです。当時の人々の間で、この発酵乳がどれだけ重用されていたかが窺い知れるエピソードですね。



世界各地の乳製品の歴史


articleicon世界のチーズの歴史


チーズをいつ頃から食べるようになったか、はっきりした起源は定かではありません。

しかし、その歴史は大変古く、紀元前4000年から3000年頃には、すでに作られていたようです。例えば、紀元前4000年頃のもといわれている古代エジプトの壁画にはチーズなどの乳製品作りが描かれています。また、同3500年頃のメソポタミアにおける神殿の石版画装飾からもそれらが発見されています。

現在に至るチーズ製造法の起源として有力な説は、紀元前3000年頃の中近東で発明されたといわれており、それと思わせるアラビア民話にチーズ誕生の物語が存在します。
……砂漠を旅していた商人が、羊の胃袋を干して作った水筒に山羊の乳を入れてラクダの背中に積み、旅をしていました。

夕方、その乳を飲もうとしたところ、水筒の中から透明な水と白いかたまりが出てきたのです。

このかたまりを食べたみたところ、かつて味わったこともないおいしいものだった……。
このようなお話にあるように、中近東で偶然生まれたチーズは、これを走りにギリシャを経てヨーロッパ各地へ、同時に中央アジアを経て東アジアへの伝わったといわれています。単独で遊牧民族の古代モンゴル族は、紀元前3世紀頃に家畜の乳を利用した食品を製造していたようです。

ヨーロッパでは、チーズ王国といわれるフランスよりもイタリアの方が歴史が古く、ローマ帝国時代にチーズ作りはすでに重要な産業となっており、紀元前36年以後には詳細な製造法が記録に残されています。その後、チーズの製法はヨーロッパ全土に広がり、長い歴史の中でそれぞれの地方において独特で多彩な種類が育まれていったのです。


articleicon世界のバターの歴史


バターは乳利用の加工食品としては古い歴史を持っていますが、その起源は不明です。では、有力な起源はいつ頃でしょう?

まず紀元前2000年頃、インドの古い経典にすでにバターらしきものが製造された記録が見られます。また、旧約聖書の中にも「かくてアブラハムはバターを取り、乳をとり……」という一文があり、古くから作られてはいたようです。

時代が進み、古代ギリシャやローマ時代は、バターは食用としてではなく、医薬品や化粧品として使用していたようです。製造方法は、紀元前500年頃、ギリシャの歴史家ヘロドトスは「馬や牛の乳を木の桶に入れ、盲目の奴隷を使って激しく振動させ、表面に浮かび上がった部分をすくい取ってバターを作った」と書き残しています。

また、古代アラビアでも革袋に乳を入れ、それを振動させて製造していたようです。一方、バターを食用と仕始めたのは、紀元前60年頃のポルトガルだといわれています。

その後フランス、ベルギーなどからヨーロッパ全土に広がりを見せました。牛乳から分離したクリームを強く撹拌してできた乳脂肪の粒を集める製法は、あまり複雑ではないため、原理としては今と大きくは変わりません。



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