光岡知足

東京大学名誉教授。農学博士。
1930年(昭和5年)1月4日千葉県市川市生まれ。
東京大学卒業。


光岡知足氏は、腸内細菌と人間の健康の関わりについて研究してきたパイオニアであり、この分野の世界的な権威と位置づけられます。


昭和31年、東京大学の大学院に入り研究を始めた当初は、腸内細菌の働きについては、ほとんどわかっていないに等しい状況でしたが、ニワトリの腸内フローラを観察することから始まり、菌を培養する方法を自身で確立することで、従来の100~1000倍の腸内細菌を発育できるようになり研究成果を挙げていったといいます。


学会発表の場でもなかなか信じてもらえなかったと自身がいうように、当時の常識に反する中、腸内フローラの状態こそが健康のバロメーターになるということ、腸内細菌と人とは共生するべきであることを啓蒙する作業が、いかに困難であったかは想像に難くありません。


巷間言われる「善玉菌」「悪玉菌」といった言葉も光岡氏がネーミングしたものであり、腸内環境と、食事や健康との関係も、氏の現在にまで渡る長年の精力的な研究のもと、明らかにされてきました。


 
【略歴】
昭和33年理化学研究所にはいり、主任研究員をへて57年東大教授となる。
のち日本獣医畜産大教授、理化学研究所国際フロンティアフローラチームリーダー。
腸内菌叢の系統的研究により63年学士院賞。


【著作】
「腸内細菌の話」(岩波新書:1978年)
「腸内菌の世界―嫌気性菌の分離と同定」(叢文社:1980年)
「腸内細菌学」(朝倉書店:1990年)
「健康長寿のための食生活―腸内細菌と機能性食品」(岩波アクティブ新書:2002年)
「腸内クリーニングで10歳若くなる―老化と大腸ガンを防止する善玉菌の驚異」(祥伝社黄金文庫:2005年)
「実験動物学」(朝倉書店:2009年・共著)
「人の健康は腸内細菌で決まる―善玉菌と悪玉菌を科学する―」(技術評論社:2011年)
その他、多数

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