光岡知足博士によるバイオジェニックス論
光岡知足先生バイオジェニックスとは何ものでしょう?
それは腸内細菌の健康への影響および効果研究の第一人者である、東京大学名誉教授の光岡知足先生が近年提唱された言葉です。
乳酸菌生産物質の効果とは
正確に言えば、乳酸菌が人の腸内にて生産している物質、すなわち腸の中でビフィズス菌などの善玉菌が作り出している、人の健康を正常に維持させる効果的物質のことです。
光岡先生の文献による定義では、直接、または腸内フローラを介して「免疫賦活効果、抗アレルギー効果、コレステロール低下効果、血圧降下、下痢改善、便秘改善、ガン予防、糖尿病予防、高脂血症予防、老化制御などに効果的に働く成分と説明されています。
それを正常な腸内環境に近い条件の、体の外の工場で効果的に作り出したのが乳酸菌生産物質です。他にも効果のある機能成分、ビタミン、生理活性ペプチド、ポリフェノール、DHAなどの食品成分もこの範疇に入りますが、いずれも単一効果であって、乳酸菌生産物質のように総合効果を持ち合わせておりません。
では、どうしてそんなに効果的のある物が世の中に広く利用されていないのでしょう。安全性としては、100年前にノーベル賞を受賞したメチニコフが「乳酸菌による不老長寿説」を唱えてから、食経験上誰もが安全であるということは知っていますので、問題にはなりません。
そこには他に高い障壁があったのです。それは学術界において「生きた乳酸菌の効果」に特化した研究が続けて来られたことにあります。そしてプロバイオティクス効果として多くの研究がなされてきました。しかし、それは単独に乳酸菌の効果を追究したもので、人の体の中での働きを明らかにしたに過ぎず、その研究成果から人の健康に効果的なものを作ることは不可能に近いという現実があらわれてきております。
現在、乳酸菌は生きていても死んでいてもその効果は変わらなく、むしろ乳酸菌が発育する時に代謝物質として菌外へ放出する物質と、菌体成分に効果があるという学術論が主流になって来ています。そしてこれまで解明できなかった効果的成分が、高度解析技術によって明らかにされてまいりました。その技術を使って、光英科学の乳酸菌生産物質から34のペプチドを含む352種類の代謝物質を特定することが出来ました。そしてその中には近年その効果に注目が集まるレスベラトロール・5αリラクターゼ・ビオカニンAなど、培地として使用している豆乳由来には無い効果的物質が検出され、乳酸菌共棲培養の発酵過程にて産生されたものであるという結論が得られました。
まさにこの代謝物質の解析結果による物質の効果および機能性が、光岡先生のバイオジェニックス効果論を裏付けることになりました。近い将来、バイオジェニックスの代表格である乳酸菌生産物質は、人々の健康を守る効果として無くてはならないものになるということが、以上の説明からお解りいただけたと思います。