2024.08.27

身近雑記

第166回 乳酸菌と良い友だちの世界

日本列島は台風シーズンに入りまして、次々と台風が到来しています。

皆さまは災害に対する備えは十分だと思いますが、もう一度確認していただくようにお願いいたします。

 

今回も乳酸菌の代弁者の立場にてお話を続けてまいります。

 

ご存知の通り、他の生物と同様に、微生物は植物や動物と共生して自然界に広く生存し、単体ではなく、他の微生物と共存して暮らしています。

もちろん乳酸菌も例外ではありません。

そして、この事はヒトや動物に棲み着いている乳酸菌の状況をみても確認できます。

 

ひとつの乳酸菌が生存していくには単体では難しく、他の菌との協力体制が必要であると考えられております。私はそこに自然の摂理の存在があると思います。

 

ちなみに多くの微生物の中において、この乳酸菌が発見されたのは1857年、今から167年前にフランスの科学者ルイパスツールが酸っぱくなった乳を顕微鏡で調べた結果でした。

 

そして1900年に入り、ロシアの微生物学者メチニコフ博士が、ブルガリア旅行をした時に人々がヨーグルトを盛んに食べているのを見て、ブルガリア人が健康なのはヨーグルトに含まれるブルガリア菌が腸内に住み着いているに違いないと思い「ヨーグルト長寿説」を発表しました。

しかし、ブルガリア菌は腸に住み着かないことが分かり、この説は覆されましたが、これをきっかけにヨーグルトが広まり、乳酸菌の健康効果に注目が集まるようになりました。

 

現在の乳酸菌の科学的解明からも、このブルガリア菌に限らず、生きた菌を食べても人の腸に住み着き発育するのが困難なことに変わりありません。

 

私の考察によりますと、当時ブルガリア地方の人々が食べていたヨーグルトは、一定の健康効果はあったのではないかと思います。

理由として、発酵するための乳酸菌は複数種で形成されていて、そこからの代謝産物が存在して、これが人の健康に寄与したものと考えられます。

 

私の想像ですが、メチニコフ博士の作ったヨーグルトは、純粋培養したブルガリア菌単菌を使ったものだったのではないでしょうか。

これでは充分な代謝産物は生成されず、なかなか健康に寄与することは難しかったのではないかと思います。

 

さて、今年の3月26日の第161回のブログにて、古代インドの牛乳の保存食として健康効果のある「醍醐」が各家庭で広く重宝されたことが仏典にまで記載されているとお話をしましたが、これも複数種で形成された発酵において、そこから得られる代謝産物と同類のものと思われます。

 

乳酸菌の個々の機能性について、科学的に解明するのは不可欠な事と思いますが、自然界において、微生物がひとつの種だけで生き延びることは容易ではなく、種の違う微生物同士で助け合って代謝物を生成し、それを使って時空を経て生き抜いています。

微生物が生き延びるには、相性の良い菌の友だちが必要なのです。

この原則を忘れてはならないと思います。

 

そして乳酸菌群も同じで、自然界で共生しながら自分たちが生き延びるための代謝物を作っているのです。

 

私は、この自然の摂理をもとに、乳酸菌群がつくり出した代謝物「乳酸菌生産物質」が、ヒトの健康長寿のための物質と確信して、世界人類の健康のため活動を続けています。

 

乳酸菌と良い友だちの世界は、人生100年時代の健康長寿の世界です。

ご理解いただければ幸いでございます。

 

 




近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。

しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。

この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。

ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。

 

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