2025.04.23

私的腸内細菌論

第174回 乳酸菌生産物質の製造の特徴③ 16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌のための「大豆」

咲き誇っていた桜も葉桜となり、万物の息吹を感じる季節となり、ゴールデンウィークも近くなりました。

今年も暑い季節がやってまいります。

みなさま、乳酸菌生産物質を良い友だちとしてお健やかに過ごされますようにお願い申し上げます。

 

さて、前回に続き16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌の培地である豆乳づくりに用いる「大豆」についてお話を進めてまいります。

 

昔から大豆はたんぱく質が豊富で「畑の肉」と言われ、発酵させることで味噌、醤油、納豆となります。

また、暗いところで発芽させるともやしにもなります。

大豆加工の代表的なものは、炒った大豆を粉にしたきな粉がありますし、豆乳にして「にがり」を加えて固めると豆腐となります。

このように大豆食品は日本人の食生活を支えてきました。

 

特に発酵性大豆食品は、摂取量が多いほど総死亡リスクの低下がみられており、日本特有の食品であり、世界的長寿国日本となった要因でもあります。

 

私が先代の研究所に入社した頃は、乳酸菌生産物質の製造に大豆を使用していることは重大な企業秘密でありました。

見学の方が来所される時も、正垣所長から冷暗保存している大豆倉庫には案内しないように注意されていました。

 

その大豆は正垣所長自ら穀物問屋に行って選定して注文したものでした。

 

皆様ご存知の通り大豆を原料として乳液状にしたものが豆乳ですが、菌の培地として発酵に使う豆乳は、発酵に即した大豆で作ることが肝要なのです。

 

現在光英科学研究所では石川県の農場と契約して、農薬を使用しない畑で栽培した大豆を使用しております。

除草剤も使用しないため手作業で雑草を除草しております。

農薬を使用しない土壌の畑では残留農薬のリスクが低く、一部の研究では栄養価や抗酸化物質が豊富で面積当たりの有機物の量が高く、栄養損失が少ないため栄養成分が安定しているといった研究報告もあるようです。

 

16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌を発酵させるための豆乳を作る大豆はとても大切です。

私は大豆を乳酸菌生産物質の1丁目1番地と考えております。

 

次回はよく分かる豆乳のメタボローム解析をお話いたします。

お楽しみに。

 

 




近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。

しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。

この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。

ぜひ第1巻に続き、第2巻もお手元で開いていただければ幸いです。

 

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