2025.12.23
私的腸内細菌論
第182回 乳酸菌生産物質の製造の特徴⑪ 議会講演速記録
寒さが本格的になり冬将軍が到来する季節となっております。
今年も余日わずかとなりましたが、皆さまにおかれましては新年へのご準備はいかがでしょうか。
今回は皆さまの体の中にある腸内発酵タンクでつくられた乳酸菌生産物質と、体の外の工場で製造した乳酸菌生産物質の相互関係についてのお話と、先代の所長、正垣一義氏が大谷光瑞農芸化学研究所時代に2度にわたって国会にて行った講演についてご説明いたします。
まず、乳酸菌生産物質は元々私たちの腸内タンクで健康維持のために毎日つくり出されていますが、腸内環境の諸々の変化により必ずしも効率的に体に吸収されているとは限りません。
そのため、あえて体の外の工場にて乳酸菌生産物質を製造してそれを摂取すれば、体の求めている量の補足ができて、健康の維持増進ができて健康長寿が全うできるということになります。
この乳酸菌生産物質の発明については、第二次世界大戦終戦の前年に、中国大連にありました大谷光瑞農芸化学研究所において、正垣一義次長が16種の有効細菌の共棲培養による代謝産物の製法を完成しました。
日本は大戦に敗戦してまだ4年でしたので、国民が思想に迷っており健康上からみても体質の低下がみられているので、政府として正垣一義氏に講演をお願いしたと、当時の内閣委員長鈴木明良氏が司会として述べておられます。
講演は昭和24年11月4日と昭和25年1月25日の2回にわたり「長寿論と有効細菌」と題して行われ、文部大臣、厚生大臣から賞詞を受領しております。

国会図書館に所蔵されている議会講演速記録を拝見しますと、当時はまだなかった「腸内環境」の言葉の代わりに腸内の「異常発酵」についての説明、乳酸菌そのものでは改善力がないために、16種の有効細菌で5段階の発酵を共棲培養で行い、分泌物質を得ることに成功した方法について、乳酸菌の名称を具体的に明記してメカニズムを開示して説明されています。
75年経過した現在においてみて、乳酸菌共棲培養による分泌物(乳酸菌生産物質)の製造技術における正確さについて驚くばかりでございます。
講演の終わりに児童方面にこれを応用して国民がりっぱな体質をつくり、大谷光瑞師の予言通り30年後に世界随一の文化国になるために国会議員の皆様におかれては1日も早くこれを国家的に普及して、国民の体質の向上に資していただくことを希望します。と締められています。
私は12月19日にて85歳になりました。80歳の坂道の中程になります。
坂道の傾斜度は日々増しておりますが、乳酸菌生産物質の体感をますます感じる今日この頃でございます。
今年もブログをお読みいただきありがとうございました。
年を越すにあたりお礼を申し上げ、皆さまの一層のご健勝をお祈り申し上げます。
近年は健康食品市場だけでなく、一般的にも「健康には乳酸菌」という概念が定着しつつあります。
しかし、人の健康に役立つのは乳酸菌そのものだけではなく、その代謝物である「乳酸菌生産物質」がより重要です。
この本には、16種35株のビフィズス菌を含む乳酸菌の共棲培養技術のノウハウや、「乳酸菌生産物質」の商品化の知識など、私の視点から見た「乳酸菌生産物質」に関する情報が余すところなく盛り込まれております。
ぜひ第1・2巻に続き、第3巻もお手元で開いていただければ幸いです。
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